OMORIたんぺん

⚠︎

微ネタバレ。

幸せではない。

案はなゔちゃがくれました。みんなフォローしようね。

出てくるキャラ：☀️ 🌿

サニー√ GOOD end引越し後の妄想。引越した家は旧サニー家とほぼ同じと思ってくれれば。

キャラ解釈能力がゴミ。

色々馬鹿なとこあるけど許して。

1+4+3=8。

⚠︎

とある日。

バジルが僕の新しい家に来る事になった。

新しい家に人を入れるのは初めてのこと。彼ならどんな反応をしてくれるだろうか。

ワクワクしながら、彼を待っていた。

すると、チャイムが鳴った。バジルが来たのだろう。

ドアを開ける。

「あ、サニーくん！」

「…」

僕は黙ったまま、彼を迎える。

そうすると、僕はバジルが持っている花に気がつく。

花は白くて小さく、植木鉢に入れられている。

「…何？それ。」

「…あ、これ？この花はね、ニリンソウって言うんだ。基本は野山に生えているんだよ。お父さんたちが出張のお土産でくれたんだ。だから、サニーくんに見せようと思って！」

なるほど、と思った。…小さくて、弱そうで。僕みたいだな…。

「…それにね、一本の茎に花を２つ咲かせられて、毒もあるんだって。危ないよね。間違っても口にしないでね！…まぁ、サニーくんはそんなことしないか。」

「…」

バジルは続けて話す。

「…一本の茎に花を2つ咲かせられるなんて、すごいよね。…サニーくんみたい。ぼくに色々なことを教えてくれて…素敵な人だよ。でも、ぼくにとって、それは……」

バジルが口をつぐむ。どうしたのだろう？

「………あはは……ごめん、なんでもない。」

「…」

僕は黙り込む。バジルが何を言おうとしたか、考えていた。

…考えていても、分からないなら仕方ない。早く僕の部屋に行こう。

「…サニーくんの部屋はどこ？案内してほしいな。」

「…うん。」

僕の部屋は2階にあるので、階段へと向かう。

（なんか距離近い…まあいいか。）

そう思って、階段を登り終えたその時。

「ねぇサニーくん、」

バジルは話しかけてきて、僕は止まる。

「───あ、」

僕が急に止まったせいか、バジルは僕にぶつかってしまった。

そしてバジルは僕の方に手を伸ばしながら、落ちていく────

「…っバジル！！！！」

────前に、僕はバジルの手を掴んでいた。

「……さ、にーくん…？」

「バジル……！！」

ほっとした。また、「前みたいに」ならなくて────

────「前みたいに」？

はっとして階段の下に目を向けると、そこには、マリの、マリの────────

「……っ！！！！」

気づけば僕は、バジルの胸を押し、突き落としていた。

バジルはそのまま、頭から落ちていく。

「…さに、」

バジルが何かを言いかけた時、どすん、とどこか重い、衝突音と共に、ぱりん、という何かが割れる音が聞こえる。

「バジ、ル…？？」

バジルに目を向けると、バジルは腕に割れた植木鉢の欠片が刺さり、頭からは血を流して、僕の目を見ながら倒れていた。

僕はすぐにバジルの元に駆け寄り、バジルの胸に手を当て、心音が聞こえるように、手の感覚に集中する。

「……」

音も、何も、何も感じない。

「…………」

──耳鳴りがする。

それと共に、後ろに気配を感じる。

「……っ、」

ひゅっ、と掠れた自分の呼吸音が聞こえる。

威圧感を感じる。

「っふ、ぅ…あ……」

呼吸がしづらくなる。苦しい。解放されたい。

「……あ、」

僕は一つの方法を思いつき、キッチンへと向かう。

ドアを開け、そこにあったのは──

───鋭いナイフ。

…これなら、なんでも切れそうだ。

僕は冷静にそう思った。

ぺたん、と座り込み、そしてそのナイフを手に取り、自分の腹へと持っていく。

──自分の腹を刺そうとした時、一つの考えが頭に浮かぶ。

……人の幸せを奪った僕が、楽になんかなれるだろうか？

「……」

そこで、刺そうとした手を止める。

…そうだ。

人の幸せを奪って、1人だけ解放されて楽な思いをするなんて、そんな訳にはいかないのだ。

「はは、」

乾いた笑いがこぼれる。

「……」

やっぱり、ちゃんと向き合わないと。

そう思い、バジルの方に向かおうとした時。

…吐き気がする。

トイレに向かう。

部屋に入る。

そして便器の淵に手を掛けようとした時。

鏡が見える。

鏡には、僕と、後ろに憑く、バジルだった「なにか」がいた。

咄嗟に言葉が出る。

「──ごめんなさ、」

僕はその言葉を酸っぱい胃酸と共に飲み込んだ。

僕に喋る権利なんて、ない。

人の未来を奪った僕に、そんな権利、ある訳ない。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。

心の中でそう呟き続け、バジルのところへと向かう。

そして、僕は一つ思い出したことがあり、バジルの元に寄る。

「…バジル、この花、ニリンソウ、って言ったっけ。」

バジルの横にある、割れた植木鉢の近くにある花に目を向ける。

「……花言葉ってさ。」

───────ずっと離れない…だよね。

僕の頭の中でその言葉を呟いたと共に、誰かが、僕の耳元でその言葉を囁いたような気がした。