きっかけは、些細なことだった。
「それでよぉ、その女がガキつくりてぇとか言ってきたんだぜ」
そう言った男の左耳に付けられた3つのピアスが風に揺れて、ちりん、と鳴った。
「それは災難だったな」
と、茶色の斑点模様がトレードマークの帽子を被った男が、その帽子をくいっと下げながら答える。
「ったく、これだからそういう女は嫌いなんだよ」
男がはぁ、と、ため息をつく
「にしてもゾロ屋、お前が女引っ掛けて遊ぶような奴だったとはな」
「なんだよ、それ
見損なったみてぇな言い方じゃねぇか」
くくくっ、と、微かに笑いながら男は答えた
「いや、ただ少し意外だなと思ってな」
「そうか?別に普通だろ」
そういうお前はどうなんだと、帽子を被った男に尋ねる。
「まぁ、俺も似たようなもんだ。」
が、ちと問題があってな、と男は付け足す
「問題?」
そう聞き返すと、
「別に大した事じゃねぇんだが、毎度毎度相手の奴がすぐにへばるから、発散にもなりゃしねぇんだ」
「あぁ!それは分かる」
そういって、ピアスをつけた男は酒をぐいっと煽る
「相手が寝た後にいつも1人で抜いてるんだが、なんならそっちの方が発散出来てる気がするんだが」
「やっぱトラ男もそうか。」
俺も物足りねぇんだよな、と、残りの酒を一気に飲み干して言った
「ま、俺たちみてぇなバケモンと比べてやるな」
「バケモンって、自分で言うか?w」
「ホントの事じゃねぇかw」
確かに、四皇を2人も相手にしていた者たちの体力は底知れないだろう
「にしても、1度でいいから俺が満足するまでやってみてぇもんだ」
ピアスの男がそう言うと、帽子を被った男は少し考える素振りをみせて、その後こう言った
「じゃあ、こういうのはどうだ?」
普段見ないこの男の悪い顔に、もう1人の男は興味を示した
「なんだ?こういうの、って」
そう聞かれた男は、ぐいっ、と、ピアスを付けた男を引き寄せた
「俺たちセフレにならねぇか?」