結局一睡も出来なかった。
恋とは厄介なものだ。
「おい咲陽!どうしたんだよそんな顔して。女子にウザがられたのか?」
またコイツか、、、
「うるせーよ。てか女子にウザがられるのはいつもだっての」
コイツは優希。俺の親友だ。
「そうだったな𐤔」
「で、どうしたんだよ?」
コイツに事実を話したら厄介な事になる気がする。
「ゲームしてたら朝だった」
ここは嘘をつくしかない。親友だから分かる。コイツは絶対にバカにする。誰が真実を教えてやるもんか。
「なんだそんなことかよ𐤔ゲームのし過ぎで睡眠時間削るのは良くないぞ!」
「おい優希!宿題出てないぞ」
「やべ」
お前は睡眠時間じゃなくて学習時間削ってるじゃねぇか。そっちの方が良くないだろ。
「呼ばれたから行ってくるわ」
いや、勝手に行っとけ。
さて、どうするか。どうすれば昨日の天使に会えるのか。昨日と同じコンビニに行くか?俺が物語の主人公なら主人公補正でもう一度会えるんだろうな。とりあえず今日も昨日のコンビニに行ってみるか。
「よし、昨日と同じくらいの時間だ」
俺は靴を履きコンビニへと向かった。
今まで以上に夜が楽しい。まだ会えるのかも分からないのに。
「昨日のコンビニだ」
その瞬間電話が鳴った。優希からだ。
「もしもし?」
「咲陽!やべぇさっきすげぇ美人見た」
「すげぇ美人?」
「色白で髪の毛も白くてさ、アルビノっていうのかな。テレビとかで見るよりも綺麗だった!」
「アルビノ?なんだそれ」
「咲陽しらねぇの!?肌も毛も白くて目が赤いんだよ。理由は知らねぇけど極希に生まれるらしい」
(色白、、、赤い目、、、)
見たことがあるような、、、
「咲陽?聞こえてる?」
「あ!おい優希!その人どこで見たんだ?」
「急に大声出すなよ!俺らの学校の近くにスーパーあるだろ?あそこで見た」
「わかった!ありがと!」
「ちょっ!咲陽!?」
俺は電話を切って走り出した。
きっと、いや絶対明日質問攻めされるだろう。その時はまた嘘でも言おう。
親友でも言えない事はあるだろ。優希に恋バナはしちゃいけない。絶対にバカにされるからだ。