前回の続きです
日帝視点
それから数週間が経ったが、アメリカは見つからなかった。彼の事を忘れたかったけど、どうしても出来なかった。彼はとても綺麗だったから。
ナチス「なぁ、最近どうしたんだ?やっぱり元気なさそうだぞ。」
日帝「いえ…ほんとになんでもないですよ。」
ナチス「…そう。なんかあったらいってくれよ。」
日帝「はい、ありがとうございます。」
結局、今日もアメリカは見つからなかった。トボトボしながら家に帰ると、部屋に電気が付いている。泥棒か?と思いスマホを取り出す。しかし、何か違う。そんな気がする。
恐る恐る部屋に入ってみると、見慣れた顔があった。
日帝「ア、アメリカ…」
アメリカ「…帰ってきたんだ。」
頭の中で彼に聞きたいことがいっぱいになる。なんで消えちゃったの?私のことが嫌いになったの?喉の奥で言葉が詰まって立ち尽くしてしまう。2人の間の沈黙が続く。
アメリカ「…ねぇ。」
日帝「…!な、何?」
アメリカ「教えてあげる。俺が此処に来た本当に理由をさ。」
日帝「…!」
アメリカ「前に言ったよね。俺の親父が悪魔の王って事。」
日帝「…うん、覚えてる…」
アメリカ「俺の力はガキの頃から凄かったんだ。弟達がいたんだけど、弟達とは格が違った。俺に王の座を取られる事を恐れた親父はね、俺を追放したんだ。ここにね。」
日帝「…あ、貴方は…」
アメリカ「ガキの頃から皆俺を腫れ物扱いした!親父も!お袋も!」
そういう彼の表情は怒りにも、悲しみにも満たされているようだった。両親から愛されずに、腫れ物扱いされた彼。
アメリカ「でも…君だけは優しくしてくれたんだ…俺を優しいといってくれた…悪魔なのに…」
日帝「………」
アメリカ「そして日帝も俺から離れていくんだ…」
日帝「そ、そんな事はな____」
アメリカ「ねぇ、なら一緒に居てくれるよね?」
彼の瞳は真っ黒で、酷く恐怖を感じさせる。まさに悪魔の王のような。優しい表情なのに、凄く怖い。
日帝「いや…いや、来ないで…」
アメリカ「…安心して、ちょっと痛いだけだから。」
微笑む彼が恐ろしくて、どんどん涙が溢れてくる。
アメリカ「…前言ったでしょ?ごく一部の悪魔は人間を悪魔に変えられるんだ。」
日帝「ま、まさか…」
アメリカ「大丈夫、親父がやってるの見た事あるし、痛くないよ。一瞬だから。」
彼は私を抱き締めて、耳元で囁いた。微かな意識の中で見た彼の顔は、当に悪魔のようだった。
ありがとうございました。
メンヘラチックなアメリカもいいなぁ…
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