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少しいつもと違う空。実家から少し…いや結構離れた所に住んでいるからかもしれない。
不安と期待を胸に義務教育の卒業後の入学式に向かう。新品に包まれた自分に少し肯定感が湧く。地元の学校じゃないから安心とは、限らない。やっぱ肯定感は湧かない。気のせいだった。桜が舞う青い空に手をあおぐ。きっと大丈夫。だって、ここには、あの部活があるんだから。
「1年B組の生徒の名前を読み上げます」
次々と名前を呼ばれるクラスメイト。そろそろ自分の番だ。
そう。自分の名前の姫河咲夜(ひめかわさや)が呼ばれた。女みたいな名前で自分は嫌いだ。親がジェンダーレスの時代だなんちゃらでつけられたから。ほんとクソ。だからあの時だって余計に_。
長時間の末に入学式からやっと解放された。地味にお尻や足の関節が節々に痛い。さて、これからどえしよか。他の人達はもう新しい友達やグループを作り始めている。あぁどうしよう。いつもの様に吐き気がきた。多分、不安でだろう。取り敢えず保健室に行こう。場所は事前に聞いているから分かる。
コンコン
「失礼します」
と、同時に扉を横にスライドさせる。
「いらっしゃ〜い」
という声の主を見ると。
ここの制服に身を包み、胸ポケットには波と桜の模様が刻まれているバッジを付けていた中性的な人が椅子に腰掛けていた。えっは?!声に出さずに心の中で驚いた。ここは、保健室だよな?動揺が隠せない自分を見てその人は、
「どうしたの?何か具合悪い?それとも、怪我?」
と聞かれた。一旦、冷静になった自分は
「ちょっと吐き気がして…」
と言い要件を伝えた。
「え!?嘘っ!ちょっと待っててね〜!?」
と慌てて保健室を去って行った。
(嵐のような人だな)と思い先生を待った。
その後、先生が来て休ませてもらった。結局あの人は誰か分からなかった。