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⚠️創作BLです

⚠️死ネタあります

⚠️共依存です

↑が苦手な方は気分を害してしまう可能性がありますので見ないことをおすすめします。

私の中ではハッピーエンドに仕上げてます。






俺の愛した漢《おとこ》。相澤 秋は、今息をしていない。

長い昼寝であって欲しい。太陽の暖かさに誘惑され、俺を誘うのを忘れて一人で寝てしまったのだと思う。

「何してんだよ、バカ」

お前の息の行方を知ってるのは俺一人。



秋「春(はる)の視界にはずっと俺だけが映らなきゃだめなんだ。」

春「急にどうしたんだよ。秋(しゅう)?

秋「だから、俺の視界にもいつも春がだけが映ってよ」

付き合って5年目、プロポーズされた。

回りくどい言い方だったが俺には伝わる。

暖かくなってきた風と秋の強いハグで胸がいっぱいになって、秋と俺は一つになった。秋の力強くて苦しいハグで愛の重さを知った。




後日、携帯電話を見ると秋以外の連絡先が消されていた。何も聞かなかった。だって俺は嬉しかったから、秋以外の人は俺の人生ではモブキャラだ。俺の人生では秋と俺だけが主人公なのだ。



そんな秋とは高校からの付き合いだった。高校生だというのに垢抜けていて周りよりも大人っぽかった。

それに容姿も完璧で、俺よりも神様が丁寧造ったというのは一目瞭然だった。まぁ綺麗だった。そして、一目見た時から俺の初めての感情を動かした。その容姿端麗人間が、恋に溺れる姿も側で見てきた。秋の目にずっと映る俺も最初から、秋に溺れていたんだ。

今までの人生は秋に出会うための暇つぶしだと思うほどに運命だと思った。


その日から俺は秋との新しい人生を築くことになった。




『両想い』2人の感情はそんな言葉だけじゃ説明はつかないと思う。それでいいんだ俺らはそのくらい特別じゃないと嫉妬してしまうから。




それから俺達は世界を駆け巡った。行った場所の名前なんて分からなかった。言葉も分からない。行きたい所だって、自分達の家の帰り方さえも分からない生活をしていた。無知なのはとても楽しかった。生き急いだ。死に急いだ。そして二人はキスをした。

二人にとっては愛し合う事が義務だったのだ。

秋といたときに概念という概念は無いように感じた。

当たり前じゃないのが当たり前になったのを俺らはいつ気づけたんだろうか。




そんな生活を続けていたある日。その日が何日だなんて俺は知らない。けど少し肌寒い風が俺らを押していた。俺が寒いっていうと秋はコート貸してくれたよね。

その日も俺らは名前の知らない場所にいた。

その時俺らは治安の悪い所に来ていたらしくて、そこは奴らの〝縄張り〟だったらしい。

そして柄の悪い奴らに喧嘩を売られた。

秋は脅されたんだ。

「こいつ(春)を殺すかお前が死ぬか選べ」

って。

片言の日本語で喋ってきて威圧感無かったけど。

それより俺らは「一つ」だったから、秋にとってはどっちにしても死ぬしか無かったんだ。

秋のその時は泣いてなかったな。焦ってなかったな。どうせ来世も一緒だからいつ死んでもずっもお前と結ばれる運命なんだって笑ってた。



俺はその時気づいたよ。やっと。俺達がどれほど依存しているのか。俺達がどれほど異常なのか。俺は死ぬのが怖くて、とにかく怖くて。自覚してからの重みが凄くて。その一方秋は

秋「来世は結婚しような。」

秋「苗字どっちのお揃いにする?」

とかふざけたこと言ってて、前までは全部真剣に受け止めて一緒笑っていたけど自覚してからはムカついた。俺は秋にも、早く気づいて欲しかった。そして普通になって、また二人で恋をしたかった。

その一方秋は俺を殺して、自分も死ぬつもりだったらしい。

秋「春を殺して下さい。」

秋は笑顔で口を開いて言ったね。

そして奴らが俺の頭に銃をあてた。

俺は死んでも後悔しないように言ったんだ。

春「来世では結婚しないから。」

春「俺を殺した人をまた好きになる訳ないじゃん。」

春「あぁ付き合って本当に後悔したわ笑笑」

春「地獄で話しかけてくんなよ。」

春「お前よりずっといい人いっぱい居たのに」

春「来世ではお前以外の人と付き合うから。」

春「お前は勝手に死ねばいい。」

全部嘘だよ。

秋に正気に戻って欲しかった。

そして俺を嫌いになって欲しかった。

秋は俺が死んだら、普通に生きて欲しかった。

秋は俺の言った言葉、全部真に受けたんだよね。

初めて秋のあんな顔見たな。

俺は泣きたかったけど泣けなかった。

泣いたら秋はきっと自殺するから。

そして銃を撃つカウントダウンが始まったんだ。

5

4

3

その時。

秋が手首ガチガチに縄で縛れていたのに、ぶっ飛ばして俺のところ来たんだ。

その時俺どんな顔してた?

多分泣いてたよね。

奴らが俺を打とうとした時、秋が俺を抱きしめて庇ったんだ。

銃声が聞こえた時

俺は秋と抱き合って死ねるなんて幸せだと思ったよ。

だけど結局死んだのは秋だけ。

俺を置いて先に地獄に逝っちゃった。

その後奴らは俺を一回だけ犯して、俺と秋を置いていった。死んだ後も二人きりだった。

俺はずっと泣きっぱなし、人生の中で見たらとても短い時間だけどその時間に悲しみが全て詰まって、吐きそうだった。

いっその事死のうと思ったよ。本気で。だけどね聞こえたんだよね。秋が

「地獄では俺が春の分まで罪を償うから、お前は安心して生きろよ。」

って秋の最後は歯を見せた明るい笑顔だった。




秋へ

俺がおじいちゃんになって地獄に来ても受け入れてくれる?

そして

またキスをしようね。

春より


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