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「お母様それではユラをお願いします。」
「えぇ試験頑張りなさいね。」
「チハルおねえちゃんありがとう。」
「ユラちゃんまた明日ね。」
千春は手を振りながらマルグリットの部屋をでた。
「ちょっと遅くなっちゃったけどサフィー有難う。」
「お礼なんて要りませんよ、私はチハル様の付き人なんですから。」
「様いらなくない?」
「まだ人の耳がありますので。」
「めんどくさいにゃー。」
「めんどくさいのです、にゃー。」
2人はクスクス笑いながら千春の部屋に戻る。
「ただいまー。」
「おかえりなさいませ!チハルさん!オークの生姜焼きマヨバーガー最高でした!」
「モリーなら好きな味だろうねぇ、マヨ入るし。」
「それはもう!あの後食堂が戦場になりましたよ。」
「ルノアーさんに悪い事したなぁ・・・。」
「しかたありませんよ、それがあの方達の仕事なんです、気にしなくて大丈夫ですよ。」
「そっか、それじゃぁ今日はありがとう、業務終了おつかれさまでした。」
「「おやすみなさいませ。」」
2人はお辞儀をし千春を送る。
「さーて、ちょっと勉強見直して寝ますかねー。」
机に向かい勉強を始める千春、しかし10分程で眠くなり直ぐに布団にはいってねてしまった。
朝から王宮の食堂でちょっと重たいオークカツバーガーとポテトのセットを食べ学校へ向かう、暫くは王宮の食堂はバーガーだらけになりそうだなと新しい朝ごはんのメニューを考えながら歩いていた。
「千春おはよー!」
「おっはよーん、ヨリ元気だねー」
同級生の向井頼子は元気に挨拶をしてきた。
「から元気だけどね!」
「今日から3日間テストだからねぇ。」
2人は渋々と学校へ向かい教室へ入る。
「千春!より!おはよー!!」
「「おはよーミオ。」」
声を掛けてきたのは千春の前の席に居る平田美桜(ひらたみお)だ。
「今日さ、テスト終わったら暇?」
「なにー?テスト勉強でもするの?」
頼子は嫌そうに美桜へ言う。
「あはははwそんなわけ無いじゃん!今さら勉強した所でたいして変わんないって!カラオケいかね?」
「行くわ!」
「あー・・・私はパスかな。」
頼子は当たり前に行くと言うと千春がパスした。
「何?勉強するの?」
美桜はこういう時はだいたい行くと言う千春なのに珍しいなと思いながら聞いてみる。
「んーちょっとお小遣いがねー、ちょいと厳しいのよ。」
(くそーあっちのお金なら沢山あるのに!!!)
先日ユラの服やパジャマ、その他色々を買いそろえお小遣いまで手を出した為心なしかお小遣いがヤバかった。
「それはしょーがない!んじゃ、よりは行くって事で!」
そう言って美桜は自分の席に戻って行った、1日目のテストも終わり、半日で終わる学校を足早に去る、帰りながら相変わらず向こうの世界で食べる朝ご飯の事を考えていた。
「ハンバーガー美味しいけど朝から毎日アレはヤバいなー、お米とは言わないけどさー、もうちょっと朝ご飯っぽいの教えないとキツイかなー。」
ブツブツと言いながらスマホでググりながら朝食を考える。
「ポタージュ・・この前作ったね、ベーコンエッグ・・ベーコンあるのかな?オークベーコン?パンは美味しくなったしこのあたりだよね、ベーコン有るか聞いてみるかー。」
そしてお昼になる頃に家に辿り着き、着替えをしてからクローゼットの扉を開く。
「あら?チハルおかえりなさい、今日は早いんですね。」
「・・・・あ!テスト期間中は半日なの言ってなかった。」
「そうなんですね、昼食はどうされますか?」
「うん、こっちで食べるよ、モリアンは?」
「先に食堂で昼食を取りにいってます。」
「もう食べてるかな?」
「先ほど行ったばかりですからまだだとは思いますけれど。」
「食べてる所で新しい料理作ったら怒るかにゃー。」
「ええ、間違いなく。」
サフィーナはクスクス笑いながら言い切る。
「ユラちゃんはお母様の所かな。」
「いえ、朝こちらに来て、私と少しお勉強をしてモリアンと一緒に食堂へ向かいました。」
「・・・・モリアンは良いけどユラちゃんまで怒らせたら嫌だなぁ。」
「ユラちゃんがチハルに怒る訳ないでしょうに、まぁ拗ねるかもしれませんが。」
「うん、急いで食堂行こう!」
「そうですね。」
2人は急いで食堂へ向かった。
「チハルおねえちゃん!」
食堂に入った途端ユラに見つかった。
「ただいまーユラちゃん、お昼ご飯もう食べた?」
「ううん、まだだよ。」
「間に合った、よかったー。」
「おかえりなさいませチハルさん、間に合ったって事は何か作るんですか?」
「うん、そのつもり、食べてる所で新しい料理作ったら2人とも拗ねるでしょ。」
「はい!間違いなく呪います!」
「そこまでか!」
千春はルノアーに声を掛けた。
「ルノアーさん来たよー。」
「おぉ?今日も休みか?」
「ちがうよー今日はお昼で終わったから早いの、ちょっと聞きたいんだけどベーコンってある?」
「あるぞ。」
「あるんかい。」
「なんだ?燻製肉は保存食だからな、結構出回ってると思ったが知らなかったのか?」
「あーそう言う事か、日本に居るとそう言う感覚無いんだよね。」
魔石を使った冷蔵、冷凍技術が有るとはいえ市井では高級品だった、保存食にする技術は出来上がっていた。
「ベーコンあるなら色々作れるなー、ちょっと味見していい?」
「わかった。」
ルノアーは普段開けてない扉を開き肉の塊を持ってきた。
「でっか!!!!」
「そうか?ベーコンって言えばコレなんだが。」
ルノアーが持ってきたベーコンは10㎏はあろうかという肉の塊だった。
「これってオークなの?」
「そうだ、他にも牛やミノタウロス、リザードもあるな、鳥だと鶏やコカトリスもあるぞ。」
「めっちゃ魔物ベーコン!」
「あぁ、牛もそうだが魔物の方が美味い、鳥は鶏が美味いがコカトリスやロック鳥も味が有って美味い。」
「今あるの!?」
「コカトリスはあるな、他のは注文すれば来る、ただベーコンは少し高いからな、オークか猪肉しか仕入れてない。」
「へー!ちょっとミノタウロスとコカトリス食べてみたいな、今度注文しといてくれる?お金払うから。」
「お金なんて受け取れる訳無いだろう、逆にこっちが払わないといけないくらいだぞ?聞いたぞ?チハルさんのレシピを街に卸していいって言う話、有難うな。」
「いいえーどういたしまして。」
照れ笑いしながら答え、話を戻す。
「それじゃぁオークベーコンを味見させて貰うね。」
千春は少し切り取ってもらい塩コショウでぱぱっと焼いてみる。
「うん、塩気は少ないけど味はあるねベーコンステーキでも行けそう。」
少し切り分けユラの口にパクっと入れてあげる。
「・・・・もぐもぐもぐ。」
満面の笑みでもぐもぐするユラ。
「・・・・なに指くわえてんのモリー。」
「あーん。」
「もー、はい。」
切り分けたベーコンをモリアンの口にも入れる。
「おいしいですー!!マヨ付けたらもっ・・・いたい!!!」
「大声上げない。」
後ろに立っていたサフィーナに脳天チョップをされうずくまる。
「よーしそれじゃベーコンつかってポトフとカリカリベーコンサラダ、玉子サンドを作りまーす!」
「3品も作るのか?」
「うん、だってほら。」
そう言ってルノアーの後ろを見ると呼ばれてないのに5人の料理人が待機していた。
「お前ら仕込みはどうした。」
「「「「「終わりました!」」」」」
どうやら千春が来た時点で急いで終わらせたようだ。
「まぁどのみち呼ぶつもりだったし良いか。」
「それじゃちょいと煮込みたいからポトフチーム3人ね、ベーコンを5㎜くらいでスライスで細切り、ニンニクと炒めてね、あとはジャガイモを4分割、玉ねぎとキャベツをざく切り、ニンジン一口サイズ、全部大鍋にぶち込む、鶏ガラスープで煮込んでね、味付けは塩コショウね、最終味の調整はルノアーさんよろ。」
「はい!」
料理人たちは直ぐに動き出す。
「玉子サンドは前作ったから同じように作って、ただ最後に薄く焼いたベーコンを挟んでね。」
「はい!」
1人がすぐにお湯を沸かし茹で卵を作り出す。
「最後にベーコンサラダはベーコンを薄くスライスしたのを短冊切り・・・ってわかるかな?」
「どんな切り方だ?」
「見せたほうが早いね。」
千春は薄切りにしたベーコンを短冊切りにする。
「はい、こんな感じ、コレをカリカリになるまで炒めて、あとはジャガイモを茹でてマッシュしてくれる?あとは茹で卵を潰して入れて、味付けは塩コショウ、マヨネーズと玉子はジャガイモ2個に対して玉子1個、マヨネーズ大さじ3くらいで」
「はい!」
もう一人も直ぐに動き出す。
「以上!出来上がるまでお茶しよかー。」
「チハルって本当に教えるけど動かないわよね。」
「おほほほほ!だって王女様ですからー。」
手の甲を頬に当てオホホホホと貴族笑い?の様なしぐさでわざとらしく笑う。
「その通りなんですけどね、それじゃお茶でも入れましょうか。」
「そだね、ユラちゃん昼食もう少し待てる?」
「うん!まてる!」
「うん!かわいい!」
ぎゅっとユラを抱きしめる。
「私も待てます!」
「えらいえらい。」
千春はさっきチョップを食らって痛そうにしていたモリアンの頭を撫でてやる。
「はい、チハル王女殿下どうぞ。」
「ありがとう、サフィーナ。」
千春は小指を立ててティーカップを持ち優雅 (なつもり)な飲み方をする。
「・・・何してるんですかチハルさん。」
「ん?王女様ごっこ。」
横を見るとちょこんと座ったユラが両手でちびちびと飲んでいた。
「ごっこって・・・王女様じゃないですかぁ。」
「こまけえこたぁいいのよ。」
「うっわ口悪い王女様がいる!」
「オホホホホホホホホ!」
そして昼食が出来るまでコントが繰り広げられていた。