「ぁ”、ぅ、あふッ、、ん”んッ、、ifッ先生、♡」
「ッ、はぁ、ないこ、、♡」
甘い声といやらしい音が教室に響く。成績優秀な生徒会長と生徒から人気な先生。
きっと、皆は2人がこんな事をしているとは知らないだろう。
2人だけの秘密の放課後。
「あ、雨降ってきちゃった、。」
先程までは晴れていた空が雲が集まり雨を降らしている。
「はぁ、傘ないしどうしよ、。」
此処で待っててもこの様子じゃ病みそうにないし、、、走って帰るか、。
鞄を胸に抱え、思い切り走り出す。筈だったのだが。
「ないこ何やってるんや!?風邪ひいたらどうすんねん!」
思い切り先生に後ろから制服の襟を掴まれ、屋根がある所に連れられる。
何故、こんな雨の中を走ろうとしたのかと理由を聞かれ、傘を持っていないのだと応える。
「はぁ、そういう事なら俺に言ってくれれば全然傘貸したのに。まぁ、いいわ。帰るぞ。」
そう言い、自分がさした傘の中に俺を入れてくれる。これで濡れんやろ、と先生が言い一緒に帰り道を歩く。でもそこまで大きくない傘は2人じゃ狭くって。俺の肩に雨がかかる。
それに気がついたのか先生は俺の肩を抱き、自分の方へ引き寄せる。整った顔が近くきたせいか凄く心臓がドキドキする。澄ました横顔を見ると自分の心の中で何かの感情がひっかかる。でも、俺と先生の関係にはそんな感情は必要ないのだと自分に言い聞かせる。
「、、ねぇ、キスして。」
暗くなった部屋の中で、映画を見る為につけたテレビの光が明るくほんのり広がる。
そんな中、俺は先生にキスを強請る。
「、笑、急にどうしたん?」
先生が好きだから。そう言えたらどれだけ楽だろうか。
でも、この関係上そんな事言える訳がなくて。
「、、、別にいいでしょ。」
言葉を濁し、俺の気持ちが伝わらない様に必死に取り繕う。
「、ええよ、。」
先生はそれだけ言うと何も聞かず、此方に顔を近づけ優しくキスをする。
唇に触れる温かい感触。あぁ、本当に恋人だったらこのキスだって、こんなに苦しくはないのにな。
ねぇ、先生卒業なんて要らないからさ、ずっと俺の春を奪ってよ。
『内藤』
『?はい、何でしょう?』
『無理するなよ。』
『、分かってますよ。』
「ないこ」
「ん?何?if先生?」
「ふふっ、愛しとるで。」
「、俺も、//」
この関係が始まってから変わった名前の呼び方。先生は俺だけを名前で呼ぶのはいたたまれないのか俺も名前で呼んで欲しいと言われた。でも、俺はあえて名前を呼ばない。このままだと先生と生徒という関係を忘れてしまいそうで怖かったからだ。
こんなの駄目な筈なのに、先生のことを好きになってしまう。
俺はまるで沼にハマる様に先生を好きになってしまった。ねぇ、先生、先生も俺の事好きになってよッ、。こんな事になる前の出会ったばかりの、あの頃の、綺麗なままの二人が良かったかもしれない。ただ、今は、思い出でだけが幸せ。
でもね、本当知ってるんだよ?先生には恋人が居るって。水色の髪をした可愛らしい人。
生徒を弄んで貴方は楽しかったかな?気が触れる様な恋でちゃんと俺の春を奪ってよ。
俺は本気で、先生のこと好きだったんだよ。でも、貴方は遊びだったんだよね。
分かってたのに俺は貴方の事を好きになってしまった。最後に、最後に1度だけ脳が焼けるくらいキスをしたら、貴方の事を忘れられるのかな、?
「、if先生ッ、俺貴方が、先生が好きだったよ、。」
誰も居ない教室で俺は独り言を呟く。
“好き、大好き。今でも好き。諦めたくなんてない。”
そんな気持ちに蓋をして、俺は貴方に別れを告げる。俺の耳に沢山付いていたピアスはいつの間にか全て無くなっていた。教室の一つの机に風に吹かれた桜の花びらが落ちる。駄目になる前のフィルムにはカメラに向かって笑っている先生と俺の姿が映っていた。
コメント
7件
ねぇ辛いよ辛すぎるよ😭 なんか、こう表せないけどモヤモヤするみたいな、、😿 好きでした。過去形なのと、本気で桃くんがせんせいのことを好きだってことがよく伝わってきた、。こういう小説大好きです💕
うわぁぁ…ひっさしぶりの翠柳ちゃんの小説だ…😇😇 あいからわず、書くのが上手すぎる😢感動したぁぁぁ…🫠🫠🫠