tugk

「ねえ、ガクくん」

「はい？」

「好きだよ」

「……」

キョトンとした顔のまま固まり、僕をじっと見つめる

…ちょっと、突然すぎたかな

″相方″ という肩書きは、もうやめにしたかった

ガクくんが、好き

そう認識し始めたのはデビュー当時からだった

向日葵のように、明るい君の優しさに惚れたんだ

「…ごめん、やっぱり忘れて」

「あ、待って、刀也さん」

手を掴まれて引っ張られ、ガクくんとの距離が縮まる

…近い、近すぎる、

「好きって…恋愛的な意味で？」

「…そうですよ」

「本当じゃなきゃ、こんな事言いませんよ…」

泣きそうになるのを堪え、下を見て話す

僕、今顔真っ赤なんだろうな

「……」

「……」

とうとう何も話さなくなってしまった

僕が、余計なこと言わなければ

でも、先に沈黙を破ったのはガクくんだった

「…俺も、好きって言ったら、どうしますか」

「え…？」

握られている手に少し力が入る

理解が、追いつかなかった

「…ガク、く…」

「……本当、本当なんです…刀也さん」

「だから、刀也さんに好きって言われて…う、嬉しい…くて…」

「……」

なんで、君が泣いてるの

「嘘じゃないんです…本当に、本当に好きです……」

ガクくんは涙を袖で拭いながら僕の服に顔を埋める

心拍数が一気に上がり、呼吸も荒くなった

もう、まともにはなれない

「ガクくん、僕のこと見て」

「…でも、今泣いてて…顔、酷いから…」

「それは僕も一緒だよ」

「……」

渋々ガクくんが顔を上げる

「…綺麗だよ、ガクくん」

「……っ、ん」

「ん……は…っ」

ファーストキスに舌を入れて、ガクくん流石に怒るかなと思ったが、以外にも積極的でキスを強請ってきた

「可愛い…」

「ね、ガクくん、僕の家に来てくれませんか」

「…行きたい」

「そこで、僕が貴方の事をどれだけ愛しているか教えてあげます」

「っ……」

耳を赤く染め、少し俯いてしまう

そこも愛おしくて、頭を撫でて抱きしめる

前髪の隙間から見えた琥珀色の瞳の奥には欲情を孕んでいた