放課後の薄暗い準備室に沈む夕陽の光が、Tの白いワイシャツをほんのり透かしていた。シャツの第一ボタンを外して、窓際に寄りかかる彼はまるで獲物を誘うような視線をSに向ける。
「……見てないで早く来てよ!待たされるの嫌いなんだけど?」
低く囁くようなその声に、Sはゆっくりと歩を進めた。重ねた手は熱を帯びていて、触れ合った瞬間に互いの体温が交じる。
SはTの頬を優しくなぞり、指先で顎を持ち上げるようにして目を合わせた。
「焦んなって、ちゃんと….甘くするから♡」
「……ふふ、言ったねSS?」
首筋に唇が触れた瞬間、Tの身体が小さく震えた。
Sの手がスルリとシャツの裾から忍び込むみ。指先で肌をなぞるたびに、Tの吐息が甘く乱れていく。
「……そこッ♡ばっか……ッ♡」
「だって気持ちいいでしょ?」
囁く声に、Tの睫毛が震えた。ふだんは強気な彼が、こうしてSにだけは乱されていく。その姿が愛おしくて、SはゆっくりとTを壁際へ押しやった。
キスは深く、何度も何度も交わされた。
TがSの首に腕を絡めると、二人の距離がさらに密着する。肌と肌が擦れるたびに熱が高まっていく。
「もっとッ、優しくしてッ……でもッ、全部欲しいッ♡」
「わがままだなぁ….でも、そういうとこ好き♡」
甘く溶けるような時間が、夜の気配に包まれていく。
外の世界が霞んで、ここにあるのは二人の熱だけ