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「春の呪い」︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
14回目の春が来た。
窓の外から微かに見える桜はこの世のものとは 思えない程綺麗だった。
春と言うには少し肌寒く時間が分からなければ きっと冬と答えるだろう。
そんな馬鹿げた考えをしていると不意に後ろか ら肩を叩かれる。
「おはよ!」
ビー玉の様に輝く目を細め優しく微笑み挨拶を する彼はまるで漫画の中の人物だ。
「はよ」
いつもどうり今の気温と同じ様な少し冷たい挨 拶を返す。
「もう春なのにまだ寒いな」
俺が見据えることの出来ない何処か遠くを見つ め少し寂しげに喋る彼。
「だな」
そんな様子を見て見ぬふりをし簡潔に返事をす る。
「まぁ、お前への気持ちは熱々だけどな!」
ふざけてるような無駄に人懐っこい笑みを浮か べこちらの様子を伺ってくる。
「きも」
いつもどうり決まった答えを返してあげた。
「ひでー笑」
そうかな?酷いのは君の方じゃない俺の気持ち なんてわかんない癖に。
無駄に話しかけてきて本当うざい。
春なんてすぐ過ぎるのに。
こんな時間なんて無駄なのに。
「今年の春は何する?幽霊くん」
俺に夏は迎えれないのに。