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『お前がみたのはあのお方の作った幻覚だ』おいおいマジか…アイツも何という狡猾でずるい手を使ったのか。『おやまあ!杖も持たないちびっこまでいるのかい?ポッターについていくのに杖を持たないだって!?とんだ世間知らずだ!』少しイラッと…いや、冗談だ。全くイライラしていない。だいたい杖を持っていないのは君たちのボスのせいだよ。しかし確かに杖を持っていない。
逃げるか、戦うか。二つに一つ、戦う。さっきみたいに魔力を集結させれば…いや、ホントに疲れるわ。あーナイフと盾?まあ、ないよりはいい。相手に向かって構えると高笑いが響いた。そして足音が近づいてくる。横を見やると他の死喰い人が近づいてきた。おそらく囲まれている。ハリーはロンやハーマイオニーたちに指示した。『棚を壊せ』マルフォイはゆっくりと近づいてきた。『予言、予言さえ渡してくれれば我々はお前達に何も危害を加えない。そして、ポッター…自分の過去…傷跡とあの方との繋がりを…知りたくはないか…?予言さえ渡せば…お前に見せることが出来る…』ハリーはゆっくり口を開いた。『僕はずっと待っていた。…でもこれからも待てる…』
みんなは棚を壊して走り出した。それぞれ…マズイ、バラけた。と、わたしの前に一瞬でベラトリックスが距離を詰めてきた。わたしは盾で失神の呪文を防いだ。ベラトリックスは幼い子供をからかうかのような笑みを浮かべ、わたしに何度も呪いを撃ってきた。死の呪文を使わない、ということはわたしたちの誰かを人質にして予言を奪おうとしているのだ。わたしはせめて、ハリーの足を引っ張らないように呪文を盾で何度も防いだ。一度呪いは頬を擦り、たらりと血が流れた。そして盾が壊されそうになると、なぜか胸に刺すような痛みが走る。そんなことを気に留めている暇はなく、わたしはみんなの為にも攻撃を避けていた。ベラトリックスは飽きたのか、ウザくなったのかわたしに着実に呪いをかけようと不自然かつ予測不能な呪文を出してきた。
しかし、問題ない。わたしの隣にある羅針盤、いわゆる相棒のおかげだ。攻撃の軌道をいち早く察知し、伝えてくれる。無論、かなりギリギリでしか避けられない。わたしが鈍いのと、単にベラトリックスの攻撃と防御への転じ方が速い。かなりベテランだ。わたしはほとんどの力を防御に徹していた。ベラトリックスは今わかったようにとても強く、慈悲があるとは到底思えなかった。だから足止めをすることのみ考えた。ナイフを幾つか作って相手のギリギリを通して煽る。そしたらわたしに攻撃を続ける。パターンは読めていた。
ナイフをより手に握りしめた。力が入り、魔力を帯びた。鮮血のように赤く輝き、相手への真っ赤な殺意が伝わる。そのまま全速力で相手に突っ込んだ。
『ネビルのお父さんとお母さんを…よくも!』怒りに身を任せ、わたしは地面を蹴り上げてベラトリックスの背後に回った。それから相手が振り向きざまにナイフを振り翳した。相手の頬を真っ直ぐ切り、ベラトリックスの頬からも血が垂れた。