今日も仕事が始まる。
いつも通り人の子が化け物から逃げる。
「バクが悪い夢を食べるって言うけどそれ、僕たちが倒したのを食べてるんだよね〜。知ってたぁ〜?」
いつも通りのセリフを口にする。
そしていつも通り人の子は離れて、、、
「ありがとうございました!」
え?
人の子に視線をやると目を輝かせながらまっすぐにこちらを見ていた。
驚いた。こんなことは人生で初めてだ。いつもロタネブが感謝されるのは見ていた。願いが叶ったのか。
そんな事を考えていると遠くで何かが輝いた。
きっとロタネブの力だろう。
「花が咲き、そして散るように」
ロタネブの優しい声は人々を安心させる。
「お姉さんすごい!」
あの景色もいつも通り。
安心と幸せを与えるロタネブ。
「綺麗」
ロタネブに妬みや憎悪を抱いたことはない。ただただ綺麗でずっとあのままでいて欲しいと思う。
だけど今日はその気持ちの他にちょっと話したいと思った。
昔は嬉しいことも辛いことも話して、お互いがお互いのことのように感じていた。
だけどこの世界にはまだ私の居場所はない。
感謝して貰えたのがとても嬉しかった。あんな子が沢山いれば私はもっと感謝してもらえるのかな。
私にも居場所ができるのかな。
そんな気持ちを抱いた。
私にもっと力があれば。
少しずつ、本当に少しずつ前に進もうと思った。
もう一度ロタネブの隣に。
この願いは自分の力で叶える。
だからロタネブには前を歩いていて欲しい。
ロタネブが歩くのなら僕は走って追いつく。
今は走って追いつくために準備をする。
きっと準備をせずに走り出しても意味が無いから。
コメント
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スアどうなっちゃうんだろう…?wkwk