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目が覚めたら、隣県の県庁所在地と第一都市に監禁されていた話。
三月某日。 栃木県の朝は放射冷却やらなんやらで何かと冷える。とても寒い。
震える身体を温めるために、毛布を手繰り寄せる。…ん、今日の毛布はなんだか重いな。
なんだろう、耳元で呼吸音が聞こえる。
聞いたことあるぞ…。この寝息。
「…。いや、まさか…。」
気のせいであると願いたい。
目を開けて確認してみる。
…目の前には…
西の隣県の県庁所在地が爆睡していた。
「えぇ…」
違和感を感じて後ろも振り返る。
…まあコイツもいるだろうと思ったよ。
第一都市もいびきを立てて爆睡中だった。
俺がコイツらの元へ来たのか、はたまたコイツらが俺の元に来たのか…。
まだ分からないな。 取り敢えず、時刻を確かめたいな。
手元に置いてあったはずのスマホ…。
…スマホ…ェァ…。
nnnnn無い‼︎
何故だァァァァ。コイツらか? コイツらが、やったのか…?
いや、むしろコイツら以外の方がおかしいわ。
「…前橋!」
「フゴぁッ‼︎」
鼻を摘んで右隣に寝ていた群馬県の県庁所在地を叩き起こす。
だいぶ、間抜けな声が出ていてワロタ。
「俺のスマホ、どっかやったのお前?」
「え、もう気づいたの⁉︎宇ちゃんは鈍感だから気付かねぇかと思ってた…!」
「餃子の具にすんぞ、お前。」
犯人はコイツらで確定。次は動機だ。
「なんだろう、北関東のトップの座でも狙いに来た?」
「いや、トップ元々俺(前橋市)だし。」
「ケッ、じゃあ何?」
ああ言えばこう言う。 本当、人(市?)の神経を逆撫でするのが得意だよね。
少し睨みながら尋ねる。
できることなら早くコイツらとは離れたい。
「まぁ…。簡単に言うとさぁ。」
突然、腕を鷲掴まれる。逃げようとするのを無理やり留めようとするような、力の籠った掴み方。
普通に痛い。前橋の顔を見る。 獲物を見つけた獣のような、爛々と不気味に輝く目。
開かれた前橋の口から、鋭い糸切り歯が見えた。
「俺たちと宇ちゃんの新婚生活ってトコ?」
は
何言ってんだ、コイツ。
to be continued………