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かつて天才とも言われていたアイドル「アイ」
ファンにナイフで刺され、死んでしまった。
でも今は、新しい世界でアイドルとして生きている_!
アイはB小町に入り、ルビーたちとアイドル活動を行っている。
楽屋には、カーネ(アイ)・ルビー・有馬かな・MEMちょが衣装を着て、自分たちの番を待っていた。
「私達の番はいつだったっけ?なんか遅くない?」
さっきまで行儀よく座っていたルビーは足をぷらぷらと揺らしながら疲れたように言った。
ルビーの気持ちは、アイもすごく分かっていた。
なぜなら、今から10分以上前に楽屋に来て、衣装に着替えたのに、私達の番が全然来ないからだ。
(私がアイドルだった時はこんなに待たなかったのになー。こんなに遅いの、なんでだろ。『新生B小町』は結構人気だって聞いたんだけど…)
アイが不思議に思っていたところ、MEMちょがその答えを出してくれた。
「まあ、今日のわたしたちのライブは小さめのステージだしねぇ。スタッフさんもあまりいなくてバタバタしてるんじゃないかなぁ。」
「そうなんだー。いつもはどんな大きさのライブをしてるの?」
カーネは思わず聞いてみた。
ルビーたちがいつもパフォーマンスしてるステージがどんなものなのか、気になったからだ。
ドキドキしながら返事を待っていると、
「そうだな〜。結構おっきいライブしてるよね。来年にはドームも待ってるし。」
「え⁉ドーム出るの⁉」
「そうだよぉ〜。カーネちゃんもB小町入ったからドーム出るよねぇ。」
(あ、そうだった。私もドームに立つんだった。)
「ドームってことは、結構有名ってことだよね⁉すごいっ!」
「そうね。こんな時期にB小町に入れたってことは、ラッキィって考えたほうが良いわよ。」
(へえ、私って、ラッキィなんだ。)
「今からドームの打ち合わせも必要だし、結構忙しいわよ。ついてこれる?」
「大丈夫!気合い入れていこう!」
私がそう言うと、みんながふふふっ、と笑い、その場がなんだか和やかになった気がした。
アイは生まれ変わりたいと思っていた。
え?今生まれ変わってるじゃん。と思った人もいるだろう。
だが、アイの思っている「生まれ変わり」はそんなものではないのだ。
アイはまだ、人を愛せない。
愛そうとは思っているのだが、愛し方がわからないのだ。
どうやったら愛せる?
いつもそればっかり考えている。
愛すってどんな感覚なのだろうか。
お母さんや友だちに聞いてみたところ、胸が締め付けられたり、ドキドキしたりするそうだ。
でもファンのみんなにそんな感覚を抱いていたら、ヤバいんじゃない?と、そう思っていたんだ。
(もう愛すについて考えるのやめよ〜っ。生まれ変わったら人を愛せると思ったのに、ちがうんだ…)
「B小町さん。出番が来ましたよ。準備お願いします!」
スタッフさんに言われた。
(やっとか〜。スゴイ待ったな…)
私達はステージへ出る。
(小さなライブなのに…こんなに人がたくさんいるんだ…B小町って人気だな。)
STAR☆T☆RAINのイントロが流れ出す。
(久々だなぁ、このイントロ聞くの。)
ダンスの方はは練習で何度も踊っていて、キレキレに踊れる。
(あの頃に戻ったみたいだなぁ…。でも今は、あの頃と状況が違う。)
ライブは終わり、新生B小町のメンバー4人は、楽屋で一息ついていた。
「どう、初めてのアイドル活動でのライブは。」
有馬さんに聞かれた。
「うん。疲れたけど、とっても楽しかったよ!私が転けそうになった時は、フォローしてくれて、ありがと。有馬さん。」
「ねぇ、カーネちゃんはなんでかなちゃんのことを有馬さんって呼んでるのぉ?」
「それはね_きょう_」
そこまで言ってアイは口を閉じた。
(あぶな〜。共演したことがあるからって言いそうだった…。)
そう思った時、アイの胸が、ズキッ、と傷んだ。
(なんだろう…この痛み。)
アイは突然倒れだしてしまった。
「「「カーネちゃん⁉」」」
B小町の3人が大声でアイの、カーネの名前を呼んだ。