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※2人が学生の頃のお話
side大森
綺麗な桜が木に咲き乱れて、ひらひらと花びらが華麗に舞い落ちる春、 俺は今日若井と2人で花見に来ている。なんで花見に来たのかというと、まあ、俺のせいかな。
そんなことは置いといて、桜がすごく綺麗。
隣で見ている若井も思わずきれい、と声を出していた。…..若井の方が綺麗だしかっこいいけどね
そんな思いを胸に秘めて、若井の横顔をただただ見つめる。
そんな俺に気づいたのか、若井がこちらに振り向いた。俺は一瞬顔を逸らしたけど、また目線を戻した。戻した先には、ニヤニヤとした若井の顔が目に入った。何、と拗ね気味に言うと
「俺の事見てたでしょ、えっち」
「なっ、は、見てないし、そもそも…..」
「そもそも?」
またニヤニヤしながら俺の顔を覗いてくる。
見てたのは見てたけど、えっちなんかじゃ、
こんなこと考えてたら時間の無駄だ。
今この瞬間を、時間を楽しまないと、好きな人と一緒に花見なんて、そうそう無いんだから。この幸せを噛み締めておこう
「..綺麗だね」
そう若井が呟く。
「んね」
俺がそう答えると、桜を見ていた若井がこっちを見て
「元貴がね」
頭がフリーズした。俺が、綺麗?
だめだ、振り回されるな俺、どうせ若井なんだから本気でそんなこと思ってないし期待しちゃ、
「なんか、俺たち恋人みたいだね。…なんちゃって」
若井が頬を赤らめながらそう俺に向かっていった。そんなこと言われたら、期待しちゃうじゃん、だめなのに、だめなのに。
好きなんだよなあ、
「なんか返事してよ、恥ずっ」
「ごめん、..なんか暑いね」
その瞬間に涼しい春の風が俺たちの頬に触れた。これは、気温とか天気のせいじゃない。
俺、今照れてるんだ。顔、赤いのかな
「…すずしいけど、あと元貴顔真っ赤」
「なっ、そもそも若井のせいで…!」
俺が怒り気味の口調で言う。いわゆる照れ隠しみたいなもんだ
「ごめんごめん、でも俺元貴のこと好きだよ、だいすき」
「…….友達、、?」
小声で聞こえないくらいに俺が囁くと、
「恋愛で」
と聞こえていたのか俺の耳元で言った。俺はさらに顔が暑くなってきているのが分かった。
「耳まで真っ赤、」
「うっせ…だまれ、、」
「で、返事は?」
返事って、若井の事が好きとでも言えばいいのか。言えない。俺にそんな勇気あるわけが無い。でも、言わなきゃ、今がチャンスなんだから、
「はいはい、オッケーね、ありがと」
「…..、」
小さく頷くと、がち?やった!!と叫んでガッツポーズをしていた。俺も心の中で小さくガッツポーズをして、心の底から喜んだ。
数分後に、若井がこちらに顔を向けて目を瞑った。それは、つまり、そういうこと?
「…そういうこと?」
同じことを聞くと、若井がそういうこと、と言ったから、俺は若井の頬を両手で包んで、俺の顔に近づけた。そのまま俺も目を瞑る。
そのまま顔を近づけると、唇にふにっとした感触が伝わってきた…..これがいわゆるキスってやつ?俺、いま若井とキスしたんだ。
すると若井が俺の後頭部に手を回して、ちゅ、と音が鳴るまでキスをした。
「…ん、、」
口を離したと同時に、若井が俺の事を抱きしめてこう言った
「一生離さないから、一生一緒だよ」
俺は、気づいたら泣いていた。
嬉しかったからだろう、涙が零れた。
若井は俺の頭を撫でて、帰るか、と明るい声で言った。そうだね、と俺が若井の手を握ると、若井が恋人繋ぎに変えた。ニヤッとしている若井の顔が見えた瞬間、俺はまた顔が暑くなった
大好きだよ、若井
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もうこちらでは散ってしまいましたが桜を話に出しました🌸
季節外れですいません、書きたかったんです🙏🏻