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フョードル・ドストエフスキーの保有する一般家屋、、、、の地下深く、閉ざされた地下室。其処に
真相を知る者は当事者であるフョードル・ドストエフスキー。彼しか知らないが、
裏界隈では密かに元天人五衰の一人であり、「道化師」と呼ばれ恐れられていた彼の同僚ニコライ・ゴーゴリが幽閉されているとの噂があった
天人五衰が実質的な解散後。死去したメンバーを除き、ゴーゴリだけが姿を裏社会からも表社会からも完全に消したからだ
まるで最初から居なかったかの様に
そんな噂を知りつつ、ドストエフスキーが放置しているのには理由がある。「邪魔者の排除」と「牽制」だ
ゴーゴリに好意を持つ者は当然。助けようとする
だから態々出向かなくても暴き出す事が出来る
まぁ、
「フェージャ、何処行ってたの、?」
そこまでしなくてもゴーゴリさんは僕に依存し切ってるんですけどね
僕無しじゃ生きられないくらい。
「死の家の鼠の仕事です。
予定より時間が掛かってしまいましたが、良い子で待ってましたか?」
「うん」
ゴーゴリさんの髪をサラリと撫でてあげる
「さて、ご褒美でもあげましょう」
ゴーゴリさんの首元を露わにし、しっかり歯型をつける。歯型に沿って血液が出てきていてその光景はとても甘美だった
「ありがと。
今夜は少し、テキーラサンセットが吞みたいな」
何と我儘なお姫様だこと
「勿論いいですよ。ゴーゴリさん」
偶に、ゴーゴリさんはいつもよりもはるかに強く精神が不安定な日がある
どうやら今日はそんな日らしい
それも仕方がない
なぜ僕がそう思い、受け入れているか。それは
彼は全てを失って自ら望んで此処まで落ちてきたからだ。
もしも事の経緯を説明するならば彼はこう云うだろう。
「生きている限り、真の自由何てないことを知ってしまった」と
何とか足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて正当化するために生きて来て、
薄汚れた屑籠から必死に奪い取った生きる希望という名の自由も見るも無残に目の前でぶち壊された彼は壊れて精神を病んでしまったのだ
だからなのか単純に全てを捨てたかったのかは分からないが僕の監禁を黙認してくれている
そんな憐れな彼が愛おしくてたまらない
「フェージャ、、、、、、僕、自由だよね、?」
自由何てないと知った後も極稀にこんな戯言を吐く
未だに何とも下らなく不合理で夢のような存在に、僕がいるのに。僕という救済があるのに。執着し、縋り続ける彼だけは妬ましい程嫌いだ
「フェージャ?どうしちゃったの、怖いよ、」
大嫌いだ
握り拳で我慢していた筈なのに耐えきれなかったようで
いつの間にか目の前の無防備な彼を打擲していた
貴方は僕の癪に触った事を悟ったのか只々泣いていた
「痛いよ、僕何かした、?」
それでも僕は辞めなかった
何度も何度も何度も躰から魂にまで僕が深く刻まれるように
ひたすら力任せに殴り続けた
「あ゛、、、、、、、、が、」
僕より体格の良い彼だが自由を封じてしまえばこちらのもので、
成人男性である僕に暴行され続けた彼の躰はとこどころが痣になり赤黒くなっている
退屈だった人生の中で初めての激情だった
「自由何て、ありませんよ。
貴方は希望にも、自身にも見捨てられた貴方を拾った僕だけを見てればいいんですよ」
温い温い口付けを愛おしい彼に落とした。
この続きは