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side宇賀神玲
僕はその日、いえ、《《その日も》》不機嫌でした。
なぜかって?
当たり前じゃ無いですか!
僕が彼女の25歳の誕生日にと用意した豪華客船の旅でも、温泉旅行でも、事件に消えてしまいました。
僕は指一本彼女に触れていません!
何なんですか!
彼女はいつも事件、事件、事件!
そして、僕たちの身の回りには事件が多過ぎます!
とにかく僕は彼女とイチャイチャしたいし、もう我慢するのなんて嫌なんです。
あぁ、彼女を今すぐに抱きしめて僕のものに…
なんて、危ない考えまで浮かんできます。
そんな僕の神経を逆撫でするように…
「先生!
事件です!」
知りませんよっっっ!
お前は事件信者か何かか!!!
「僕は今日は休業します!」
僕はそう言ってソファに横になります。
「何言ってるんですか!
被疑者は美女ですよ?
ほら、行きましょう?」
「嫌です!
美女に興味は無くなりました!
僕は綾乃じゃなくちゃ勃ちません!」
「な、な、何言ってるんですかぁ!?
せ、せ、セクハラですよ!!!」
「え、どこがセクハラなんです?
彼女にしか興味がないと発言したら、付き合っててもセクハラなんですか?」
僕は意地悪く言います。
「と、と、とにかくいきましょう、先生!」
「イキたいですよ、僕だって…」
「下ネタ言わないでください!!!」
「男が好きな女の子に下ネタ言って何が悪いんですかぁぁ!?」
僕の暴走は止まりません。
「もう良いです!
先生がいかないなら、私が弁護します!」
「ふん、やってみれば良いじゃないですかー!」
クソ意地悪く言う僕。
もう、神も悪魔も僕を止めることはできません。
「いってきます!怒」
「せいぜい頑張ってください、へなちょこ弁護士さん!」
僕は言って、いつも通りエロ本を広げますが…
見たいのはこんなエロ本じゃないんです。
綾乃の裸が見たいんです…
どうして、こうなってしまったのでしょうか…?
でも、でも、彼女はちっとも僕の気持ちを考えてくれません…
何でですか!?
僕のこと好きじゃないんですか!?
いいえ、そうかもしれません…
でも、その現実を突きつけられるのが怖いんです…
彼女が僕のこと好きじゃなくても良いんです。
僕はその分を埋めますから。
絶対に離したくないんです。
それほど、僕は彼女が好きでした。
僕はエロ本を床に投げて、コーヒーを淹れにいきます。
彼女のことが心配になってきました。
コーヒー飲んだら、少し様子を見にいきますか…
はぁぁぁあ…
結局綾乃に甘い僕です。
仕方ありません、惚れた弱みってヤツですよね。