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『寓話 ハトさんラグビー』
ハトさんラグビーの実況•担当を解説しますはこの私、ジャポポン諸島に生息するただの
カラス、スワベヤマノヤタガラスでございます。
さて、今回の試合の舞台は緑豊かなハトサン公園。
ハトサン公園にて今、一枚の超高級食パンが
Youtuberの人間におかれて、今、試合開始です。
さてはじめてハトさんラグビーを見るケモノ
さんもいらっしゃるでしょう。
まずはハトさんラグビーのルールをざっくり解説します。
その一、鳩達が2対2で一枚の食パンを
奪い合い、より多くの面積の食パンを食べた方の勝ち。
その二、鳩達は皆それぞれ
《風をわからせる》能力が使える。
以上です。
後は核を使っても人質を使っても
OKです。
まあ、ハトは基本、食う寝るウコチャヌプコロの生物三原則に則り行動するので
人間のようなカス知恵には頼りません がね。
さぁ、それでは試合を見ていきましょう。
「クルッポォォォォ!!!!!!!!!」
まずは赤いスカーフをつけた屈強な
ハトさんラガーのケンタッキー。
彼は羽ばたくことで竜巻を起こせます。
そしてすごくすばしっこいです。
あまりに危険なので他のハトさんや動物さん達は既に避難済みです。
この場に残るは実況•解説の私と命を賭けて取り高を取りに来た撮影のYouTuberの 人間 のみです。
たまにいるんですよね、死を怖れない
人間風情が。
さぁ、ケンタッキー君、鍛え上げた自慢の
胸筋でとてつもない竜巻を発生させます。
これだけ竜巻を起こせば、食パンや敵チームはおろか味方も風でミンチになってしまう
でしょう。
彼には脳がないのでしょうか?
彼には脳がありませんが彼の相棒には
あります。
「ポポポポポポッ……ポウッッ!!!!!!」
彼の仲間、青いスカーフをつけた屈強なる
ハト、フライドティキンは風をわからせて
上手に風を避けながら高速移動します。
そして、ジャポポン諸島で今一番えらいケモノ、ギンジロー様の《フィクションを分からせる能力》により、パンと建物と私スワベヤマノヤタガラスは守られております。
おおっとフライドティキン食パンを奪取しました。これは早速勝負が決まったカァ?
「トゥゥゥゥス!!!!!!!!」
突然竜巻が燃え上がりました。
「ポポッ!!!???ポポポポポポ!!!!!!」
これにはフライドティキンも思わず食パンを
落として急速に避けます。
撮影の人間風情はちょっと焦げましたが
食パンは無事です。
そして火の中から一匹のとてつもなくでかい
鳩が現れました。
ケンタッキーとフライドティキンの敵チーム。ピンクのスカーフをつけた《命知らず》のハトムネです。
彼は風の熱をわからせることでものすごい
炎を起こし、熱が苦手なケンタッキーと
フライドティキンの弱点をつきました。
「ポポ…..ポーポーポポポ。」
この作戦を考えたのは彼の兄弟にして
参謀担当。
ネクタイをつけた鳩、 《風読み》のワカバヤシです。
彼には風が読めます。
つまり彼を倒さない 限り、ケンタッキー&フライドティキンの 行動は全て筒抜けです。
故にフライドティキン、鳥頭のケンタッキーに指示を出しました。
「ポポ、ポポ、ポポゥポウポポ。」
ケンタッキー、なにも言わずにフライドティキンの指示通り食パンに向かい歩きます。
よっちよっちと歩きます。
風を使わないのでしょうか?
使いません。
何故なら風を使うと風を読むことができる《風読み》のワカバヤシに作戦を 読まれてしまうからです。
これを見てワカバヤシ、少し首を傾けハトムネに指示を出します。
「ポウ。」
「トゥゥゥゥス!!!!!!!!!!!!!」
なんということでしょう。
床が凍りました。
食パンと撮影の人間風情もカッチンコッチンに凍ってます。
死んだんじゃないでしょうか?
いいえ死んでません。
ギンジロー様の フィクションを分からせる
能力でなんとか してます。
人間のことはクソほどどうでもいいので
試合に戻りましょう。
ケンタッキー動けません。
脚が凍って動けません。
「トゥス。」
ハトムネは熱で食パンの氷をとかし、
食パンを加えました。
これで食パンを全部食べれば勝ち確です。
おおっとどうしたことでしょう?
ハトムネ、相手を煽ります。
屈強な胸筋を張り翼をバサバサさせ
煽ります煽りますまだまだ煽ります。
これにはケンタッキーもプルプルと怒りで
震えております。
これにはワカバヤシも翼で頭を抑え呆れて
おります。
ハトムネとワカバヤシは少し油断しておりました。
彼らは風と、ケンタッキーしか視ておりませんでした。
故に風を全く起こさずスケートの要領で
ゆっくり回り込んできた フライドティキンに 気づきませんでした。
フライドティキンはワカバヤシの背後から
瞬きもしないほどの一瞬で、ハトビンタ一発
で分からせダウンを取りました。
「ポポッ!!!!!」
フライドティキンが叫びます。
「クルッポーーーワ!!!!!!!」
ケンタッキーが一瞬で羽ばたきハトムネの
むくつけき胸筋に頭突きをしました。
弾丸のような速さでした。
人間風情が喰らえば下手すりゃ死にます。
ですが彼らはハトなのでセーフです。
ハトムネ頭をふらふらさせて倒れました。
そしてケンタッキーとフライドティキンの
二羽は、なかよく食パンの51%を食べて
去っていきました。
この試合、ケンタッキーとフライドティキンの完全勝利です。
負けてしまったハトムネ&ワカバヤシチームはケンカをしながら仲良く残りの食パンを
食べました。
YouTuberの人間風情はそこそこの撮れ高が
撮れたので満足して帰りました。
私はギンジロー様からダイヤモンドを一つ
いただきこの場を去りました。
これにて、試合終了です。
次のハトさんラグビーでお会いしましょう。