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不思議な木々が揺れている森を抜けて進んだ先、紅葉の様に綺麗な朝焼けの空の下、足元に水が張られている神秘的な入学先の学校の校門の前にて、私は立ち尽くしている、目の前の光景全てが美しすぎて凄いの声も出ないのだ。 「ちょっと待ってよ友梨奈!」 幼馴染の少女、絵名の声が聞こえ、ふわふわとしていた意識が連れ戻される、 「あ、ごめんごめん、この学校あんまりにも綺麗だから見惚れてボーッとしてた、」 友梨奈が困ったように頬を掻くと、絵名は呆れた様子でもう、しっかりしてよね。と言葉をこぼす。 絵名に続いてもう1人の幼馴染の志保が静かに歩いて追いつき、周りを見渡す、そして、あれ、燈は?と聞いてきた。周りを見渡してみるが確かにいない、森の中を通っている時は一緒にいたはずだが、どこに行ったのだろうか、と友梨奈は考える、すると絵名が 「あの子もう学校の中に入って行ったんじゃない?」と言った。確かに燈は普段から1人でどんどん先に進んでいってしまう勇敢な子だ、ありえなくはない、燈が先に校内に入ったと信じて3人は校門の中へと足を進めることにした、校門の内側に3人が到達すると、校門がギシギシッと金属の軋む音を発しながら閉じた、すると絵名は閉ざされたしまった門に違和感を覚え、門を押してみた「ね、ねえ、友梨奈、志保、校門が開かないんだけど……?」友梨奈達は絵名の言葉に反応し、冗談はやめてよ、と絵名と共に3人で門を押したり引いたりしてみたがビクともしない、友梨奈は少し違和感を覚えたが、途中で寮から逃げ出せないように固く閉じられているだけなんじゃないのかと自身と2人に言い聞かせ、そのまま昇降口へと足を運んだ、昇降口で3人が上靴を履き替えると同時に、あたりが真っ暗になった、「え、え?な、なになに?」絵名は見るからに取り乱している、志保が私と絵名の前に立ち、辺りを見渡すと、電気がいきなりついた、暗闇から戻ってきたばかりの光に慣れていない目でなんとか周囲を確認しようとするがやはり眩しくて目を閉じてしまう、刹那、パンッと言う音が間近で鳴り響く、すると桜の花弁のようなものがひらひらと宙を舞って地面に着陸する、友梨奈は床に散らばったものを見つめた、色とりどりのリボンと紙吹雪らしきものがある、私は理解した、大人数でクラッカーの鳴らしたのだと、すると今度は拍手が聞こえ出した、私はゆっくりと地面から人へと視線を変え、驚愕した。
まるで貼り付けたような笑顔のまま無言で拍手をし続けているではないか、私は恐怖のあまりしゃがみ込み、耳を塞いだ。それから数分が経った頃、指を鳴らす音を境に突如として拍手がピタりと止んだ、私は恐る恐る顔をあげ、拍手をしていた生徒達の方を向くと、生徒達は瞳孔を開き、無表情のまま立ち尽くしていた、そこへ指を鳴らしたであろう女子生徒が私の元に向かってきた、
「あの、大丈夫ですか?」