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「……。えっと、先ほどの言葉の意味を理解できてないのですが。」
「あっ、そうですね。僕が知っているレベルのお話でしたらすべてお話しますがそれでよろしいですかね?」
「お願いします。」
「では、まずこの学園についてですね。この学園『黄昏幽妖学園』というのは妖怪や都市伝説上の生き物そして様々な幽霊の為の学園であるということです。彼ら彼女らにも学びを得てほしいと大昔の人が考えて作った学園だそうです。」
「昔からあるんですねこの学園は。」
「はい。そして、教員は同じ妖怪や幽霊はもちろんのこと今の僕やユウカさんのように普通は視えないものが視える人で且つ、それに対して恐怖を感じない人が教員として選ばれます。なので一応教員という形で僕はここにいます。しかし、先ほどもお話しした通り正式な教員ではありません。というのも僕の担当教科は『演出』という授業でしてこれは選択の授業です。受講する生徒が少ないため外部から呼んでくるいわゆる外部講師みたいなものなので、正式な教員というのは違うかなと思いそうお話させていただきました。また、学園自体の機能は人間が通う学校と何ら違いはありませんのでその辺りはご心配なく。」
「……。なるほどなんとなくわかってきました。それじゃあいくつかあなたに質問してもいいですか?」
「あっ、はいどうぞ。」
「まず、あなたのお名前を聞いてなかったのでそこから……。」
「!?す、すいません!僕の名前は『桐藤冬馬』といいまして、近くの大学に通いながらお化け屋敷のおばけ役でバイトしながら生活してるものです。」
「それじゃあトウマさん。あなたはどうやってこの学園と出会ったの?」
「えっと……。勤め先のバイトで同じ従業員だと思って話していたとある人物が『本物』でして、その人がどうやらこの学園の生徒さんらしくて、その方経由で外部講師としてその授業がある時だけ呼ばれるようになったって感じです。」
「じゃあ次はその『演出』て授業内容を教えてくれる?」
「はい。『演出』とは言ってしまえばお化け屋敷のキャストがやるような授業内容でして、一言で言えば人間を驚かす。これに特化してる授業ですね。」
「そんな特殊な授業があるのか……。まぁ、やっぱり普通の学校ではないよなぁ。」
「……えっと、それじゃあ僕からも質問いいですか?」
「えぇ。私ばっかり話してたもんね。」
「ユウカさんはどうしてこちらに?見たところ僕と同い年くらいですけどその姿からして教員であるのは察し付くんですが……。」
「私はもともと別のところで普通の先生してたんだけど、そこで私の教育係を務めた人が妖怪さんでこの学園にぴったりな性格と能力しているってことで表面上は飛ばしたことにして裏では引き抜いたって感じみたい。で、歳だけど確かにトウマさんと同じくらいよ。今24くらいかな?」
「あっ……。年齢言うのにためらいとかないんですね。」
「年齢言ったところで減るもんじゃないからね。」
「それじゃあもう一つだけ質問いいですか?」
「えぇ。答えられる範囲でならね。」
「なんでユウカさんは教員に?子供たちと話すのが好きだからとかですか?」
「いいや?学生時代に学がなくて馬鹿にされたから腹立って教員免許取ってそいつらを見返すっていう復讐心でここにいるだけ。……まぁ、子供は好きでも嫌いでもないけど会話は好きだからって言うのもあるかな。」
「そうなんですね……。」
「ん?もしかして君も教員になりたい感じかな?」
「いや、まぁ……。そうですね。正確に言えばここの教員になりたくて。」
「なら、校長先生に直接言ってこればいいんじゃないかな?」
「そ、そんな直談判みたいなことは……。」
「なら、私が代わりに伝えてあげようかトウマちゃん?」
そう話しながらトウマが来た扉から雪代さんがひょこっと顔を出す。
「あっ、雪代さんおはようございます。」
「えぇおはようユウカちゃん。」
「あっ……ゆ、雪代さんいつの間に?」
「それよりもどうする?私から鬼ちゃんに今のこと伝えようか?多分すっごく喜んでくれるよ?」
「で、でもまだ僕は学生だし卒業後の就職でここのことを話しても馬鹿にされるだけでは?」
「その辺は私や鬼ちゃんに任せなさい。貴方やユウカちゃんみたいな動じない人間はとっても貴重だから即戦力として採用される率が高いの。もちろんこの後生きてくうちに別のことをやりたくなったらそのときまた声かけて頂戴ね?私らも可能な限りお手伝いしてあげるから。」
「……はい!!」
「いいお返事ね。それじゃあそろそろ授業の時間でしょうから行ってらっしゃい。」
「あ、ありがとうございます!」
雪代さんに深々と頭を下げた後彼は部屋を後にし担当教室にと消えていった。
「……今更ですけどこの学園変ですね。」
「本当に今更ね?」
「妖怪も幽霊もいるのもそうですけど、なんていいますかねぇ……。こう、自由すぎるといいますか……。」
「いいことを教えてあげるユウカちゃん」
「はい?」
「仕事なんて根詰めてやるのは馬鹿らしいからそんな頑張らなくていいの。どうせ義務でしょ?やらないといけないからやってるだけで頑張らなくていいならそれに越したことはないでしょ?」
「まぁ、ぶっちゃければそうですけどあなたがそれ言います?」
「だからちょっと緩いくらいでいいのよ。その緩くやってく中で自分がこれは熱を持ってやりたいと思ったものがあればそこに全力をぶつければいい。それ以外はバレないくらいに手を抜くのでちょうどいいんだよ。」
「……。うんここにきてだんだん雪代さんの本性が出てきた気がするなぁ。」