俺の名前は紫藤 入間。
ごく普通の高校一年生だ。
奈津「入間…おはょ……。」
入間「……はよ。なんだよ、また宿題やり忘れたんか?笑」
奈津「うるせぇ…!」
図星かよ。
此奴は日真 奈津。俺の友達。
小雨「あっ!!入間君〜!奈津君〜!」
奈津「げっ、小雨…」
小雨「げって何だよ!」
奈津「いや、別に〜?笑」
小雨「…その言い方めっっっちゃむかつく!」
雨乃 小雨。奈津とは犬猿の中だ。
須知「ふわぁ…、眠い〜…。」
美琴「ちょっ、すち君!?今から学校やから寝んといて〜( 汗」
翠屋 須知と、黄馬 美琴。
此奴らは多分平和。多分な。
入間「じゃ、全員揃ったな。」
奈津「ん、行くか〜。」
何処に行くかって?学校?その前に、
俺らが想いを寄せてる奴の家だよ。
小雨「相変わらず蘭君家の桜綺麗だね〜!!」
美琴「そうやね!俺一生見てられる自信あるもん、!」
須知「桜枯れちゃうでしょ〜、笑」
奈津がインターホンを押す。
小雨「あ〜っ!奈津君ずるい!!小雨が押したかったのに〜!!!」
奈津「遅ぇお前が悪りぃだろ笑」
家の中からどたばたと音が聞こえてくる。
そうするとドアが開かれ、綺麗な顔が見えた。
蘭「皆早くない!?準備ギリギリだったんだけど!!!???」
櫻庭 蘭。俺らの、…友達。
入間「うるせぇ、遅いお前が悪ぃんだよ 笑」
美琴「わ!さっきのなっちゃんと同じ事言っとる…」
蘭「ぇ〜んすち〜!入間が虐めてくる〜!」
須知「怖かったねぇ〜… 微 笑」撫
すちが頭を撫でると、蘭は頬を薔薇色に染めて笑った。
小雨「…」苛
それに小雨が反応している。
そうだ、
俺達五人は全員蘭が好きだ。
幼い頃からずっと一緒に居た俺達。
蘭の綺麗な顔と声、優しく暖かい性格。
その全てが愛おしかった。
でも蘭には人を惹きつける才能があるみたいだ。奈津も、小雨も、すちも、みことも。
全員同じ気持ちだと云うことを、俺は気づいてしまった。
多分すちら辺も若干気づいてるだろう。
彼奴は勘が鋭いからな。
奈津「おい、そろそろ行かないと遅刻すんじゃね?笑」
蘭「え!?ぁ…!本当じゃん!?早く行こ!」
美琴「わぁ!!!待ってよらんらん!」
蘭「はっ…はぁ、!間に合った…よね?」息 切
入間「何だよそんな息切らして、笑」
蘭「分かって言ってるだろ!?お前らが!!速すぎんの!」
小雨「蘭君が体力無さすぎるだけじゃなぁ〜い???( 煽」
蘭「うわクソめっちゃむかつく!!!」
奈津「煽り…スキル高すぎ、だろ、!笑」息 切
美琴「なっちゃん…無理して笑わなくていいんやよ…」
須知「ふわぁぁ、…。帰りたい。」
先生「おいお前ら〜 、煩いぞ!」
『 すみませーん!!』
ホームルーム。勉強なんてつまらないだけだ。ぶっちゃけ言ってサボりたいけど…。
蘭「…」
真面目な彼奴の横顔を見ていたい。
彼奴の眼、ガラスみたいで綺麗だよな。
その変な耳飾りが似合っててウザイ。
柔らかい白い肌。家出てねぇの?
何を考えているのか、いつも百面相。
あーあ、いつからこんなキモくなったんだ俺。
俺らはこんなに重い想いを抱いているのにも関わらず、呑気に笑っている鈍感なお前が嫌い。
キーン コーン カーン コーン
____休み時間
小雨「今日の先生めっちゃだるかったんやけど!!!」
奈津「分かる〜…授業なんて正直面倒いだけよな。」
蘭「途中お前らのせいで俺まで怒られたやんけ!」
入間「ま、それは別良いとして。」
蘭「良くねぇよ!?」
美琴「すち君いつも寝てるのに何で分かんの!!!」
須知「あはは〜…笑」
ずっとこんな平和な日々が続けばいいのに、
なーんて、無理だろうけどな。
俺達が蘭を愛する事をやめない限りは。
蘭「あ、そういえば先生に呼ばれてるんだった!!!ちょっと行ってくるわ!」
小雨「はーい!!すぐ戻ってきてよー!?」
蘭「分かってるよ〜!!」
入間「そういや奈津、宿題終わったんだ?」
奈津「あ……」
須知「あら。」
美琴「やばいってなっちゃん!!次集めるのに!!」
奈津「、、、、入間ぁ……見せてくんね?」
入間「はぁ……仕方ねぇな。」
小雨「休み時間あと三分しか無いけど?」
奈津「え?」
先生「宿題集めるぞ〜」
奈津「危ねぇ……まじ死ぬかと思った。さんきゅ、入間。 」呟
入間「…今度なんか奢れよ。」呟
美琴「そういえばらんらん、先生に呼ばれてたのって何やったん?」呟
蘭「え?あ〜、運び物手伝ってって言われてさ〜」呟
美琴「あ〜ね、!」呟
手 洗
蘭「あっ、すち〜!!!今日暇?」
須知「ゎ…、暇だよ〜。」
蘭「家行っていーい?」
須知「え、良いけど…なんで?」
蘭「なんかすちの家落ち着くんだよね〜、すちと居ることも”好き”だからさ!」
須知「…そっかぁ、微 笑」
「いいよ、待ってるねぇ〜。」
入間「居た。お前らもうチャイム鳴んぞ。」
蘭「……ぇ?ほんとじゃん!!!!!すち、行こ、!」
須知「待ってよ〜、らんらん。」
入間「……」
彼奴ら、何話してたんだ?
あ〜……学校終わった。しゃあっっっ!!!
蘭「あれ、入間今日部活は?」
入間「顧問が居ないから休みだってよ。」
蘭「へ〜!良かったじゃん!」
美琴「小雨ちゃんとなっちゃんは今日も部活やけどね……」
須知「まぁ仕方無いね〜。」
蘭「すちは美術部の展示終わったんだっけ?」
須知「そー。だから暫く休み…、ふわぁ〜……眠。」
入間「すち今日何回あくびすんだよ笑」
美琴「すち君のあくびは未知数やからね!」誇
蘭「そんな自信満々に言うことじゃないだろ」
須知「あ…、じゃあ俺ここでね〜。」
美琴「俺の家こっちやから!また明日!!!」
入間「またなー。」
俺と蘭は帰り道的に二人きりになることが多い
蘭「い〜るまっ!」腕 組
入間「なんだよ…。」顔 振
蘭「あっ、照れてる〜!!」
入間「…別に照れてねぇよ。」
蘭「嘘つき。顔赤いもん!」
入間「だから照れてねぇって!」
蘭「まぁ?そういうことにしといてあげるよ〜、笑」
こいつまじ…
そう思いながら歩いていると、桜の木が見えた。
蘭「じゃあ入間!またね〜!!微笑」
入間「…またな。」
でも、なんだかんだ言ってこの時間は楽しい。
すちthis
ピーン ポーン
須知「は〜い。」
「さ、らんらん上がって。」
蘭「お邪魔します、!」
須知「今日親居ないから。肩の力抜いてていいよ、笑」
蘭「うんっ!」抱
須知「ゎっ…、!どうしたのらんらん、」
蘭「すちいい香り…で。落ち着く。」
須知「…そっかぁ。微笑」頭 撫
あ〜あ、ずるいよ。ほんと
蘭「やっぱりすちの家きれ〜!!絵見てもいい!?」
須知「いいよ〜。」
紙 捲
蘭「ゎ…!この桜……!」
須知「あぁ…それ?らんらん家の桜だよ〜。見せようかなって思ってたの。」
蘭「凄い…綺麗…」目 輝
らんらんをイメージして描いた、なんて言えないけどね。笑
蘭「俺、やっぱりすちの色の使い方好きだなぁ〜…、淡くて儚くて……」
須知「…も〜、そんな褒められると照れるよ〜」
蘭「だって本当にそうなんだもん!」
蘭「ね〜すち!」
須知「なぁに、らんらん 笑」
蘭「恋バナしよ!」
須知「……え?」
蘭「俺やってみたいんだよね!恋バナ!!」
女の子かよ
蘭「で!!!すちは居るの!?好きな人!!」
須知「…居ないよ〜。」
蘭「え〜!!…まぁ俺も居ないんだけどさ。」
須知「ほんとになんで恋バナしようと思ったの…」
蘭「でもさ!すちに好かれる人って、幸せだと思うんだよね!!!」
須知「…、!」
蘭「だってすち、料理も出来るし、運動も絵も描ける。それに優しいし…」
須知「辞めてらんらん、」顔 赤
蘭「あれ?すち、耳赤いよ〜???」
須知「うるさい…、///」
蘭「ふふ〜!…あっ、でも…」
蘭(須知に彼女が出来ちゃったら、今みたいに遊んではくれなくなるのかぁ…。)
蘭「…それは嫌だなぁ、」呟
須知「…?」
蘭「ね!すち!」
須知「…どうしたの、」
蘭「すちに好きな人が出来ても、俺らこのまま友達でいようね!」
須知「、、!」
須知「…うん、そうだね、笑」
蘭「あっ、暗くなってきちゃった…。俺もう帰るね!!」
須知「うん、またね〜。らんらん。」
ばたん ドア 閉
須知「…はぁ。」座 込
隠し、通せるかな。
こんなに好きなのに。
…愛してるのに。
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