コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
…暇だな。あいつに会いに行くか。いるか分からんが。
「あれ、月華君どこか行くの?」
「剣…。あぁ。会いたい奴がいてな。」
「あ、もしかして…。」
何かを察したように剣は俺の目を見る。
「そのもしかしてだ。」
「やっぱり?最近仲良いもんね。」
「あぁ。じゃあ行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」
「ん。」
まぁ、どこにいるかの検討はつかない。適当にぶらぶら歩くしかない。案外こういう方法でも会える。
「お、月華じゃねぇか。」
ほらな。俺の思った通りだ。
「よ。会いたくてな。」
「んだよ可愛いな。」
にぴ善、こいつが俺の会いたかった相手。少し前まではそこそこ言い合いみたいなのはしたものの、何気に仲良しになった。俺自身もこいつに懐いてる。こいつも俺に甘えたり可愛い部分を見せてくれるようになった。
「お前も可愛いよ。」
思ったことがそのまま口に出る。
「お前ほんと…そういうのシラフで言えるの変わんねぇな。ゆうて仲良くなったの最近な方だけど。」
「だな。」
そこからしばらくの沈黙が流れる。
ぎゅ…
「んだよ。月華。甘えたか??」
「かもな。」
にぴ善は満更でもなさそうに俺を抱き締め返す。こういうとこが好きだ。こんなに甘えたい気持ちになるのはこいつにだけだ。
「んっ…。」
口元にキスをする。不意打ちだったからかにぴ善の顔が赤くなっていく。
「ふは、可愛い顔だな。」
唇を離してそう言ってやると、またにぴ善の顔が赤く染まる。
「やってくれたなこの…。」
「い”っ…。」
首元に痛みが走るのが分かる。噛みつかれたのか。はたまた…。
「はっ、綺麗についたぜ。」
ニヤニヤしながら俺を見てスマホで写真を撮り俺に写真を見せつける。にぴ善の言った通り綺麗についたキスマークが見えた。
「…こんなはっきり見えるような場所に付けて…牽制か??」
からかうように言ってやった。しかし俺が思っていた返答とは違った。
「はは…かもな??」
まさか、本当に牽制だなんてな。