TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
シェアするシェアする
報告する

※童話「あかずきん」改造




あかずきんくんと孤高の狼



むかしむかし、イサギ・ヨイチという赤い頭巾を被った男の子がいました。ブカブカな頭巾は、腰まで長くひらひらしています。その頭巾の下には真っ白のシャツ着ていて淡い茶色のショートパンツのなかにいれています。なんとも女性らしい格好ですが村の風習で男性が成人するまえはこのような格好は当たり前でした。

今日のイサギは朝からルンルンとして楽しそうです。なぜなら遠くにあるお婆さんの家に出かけるからです。お婆さんに会えるのも楽しみの一つですが、道の途中の大きく広がる花畑で綺麗な花を摘むことが一番の楽しみです。飾っていたバラが枯れかけていたので大変都合が良かったです。

イサギは早く出発したいので手際良くバスケットのなかに詰め込みます。お婆さんからお願いされたぶどう酒、自家製の苺ジャムとパンを詰めますパンの焼きたての良い香りが鼻を刺激してぎゆゅるるとイサギはお腹がなってしまいました。パンのさきっぽをナイフで切り口の中に放り込み、もぐもぐと咀嚼をしました。鼻から抜けるパンの味がまた食べたくなってくるくらい美味しいです。しかし、お婆さんと食べたほうがより美味しいのでイサギは我慢することにしました。


「よーし出発だ!」

あまりにも嬉しいので鼻歌を歌いながら歩いています。

「やっと着いたー!!」

数十分間歩いてついに着きました。道をよこぎって森林を抜けたらぶあっと綺麗な花畑が広がる絶景の場所。今日は何を摘もうかなと考えていると…

「…誰だあれ」

遠くに誰かがいたのです。

(遠くにいる…俺よりも背丈がある、黒い服……)

イサギは気になりました。ここは、専門の職人が管理しているわけでもなく、自然で成り立っていた花畑です。自分以外知らないとおもっていましたが、まさかここに人が立ち入るなんて……

ズカズカと人の方向へ進みます。やっと顔が見える距離まで来ました。



は、、、

見える光景には、イサギは驚きよりも先に見惚れてしまっていたのです。

真っ白な肌に深緑色の風になびく髪。彫刻のような顔立ちに特徴的な下まつ毛。すらっと長い脚に黒ズボンと大きなパーカーを着ている。何よりも見惚れてしまっていたのはターコイズブルーの美しい瞳。鋭い目つきと長いまつ毛によく似合うその瞳に自分の何もかもが奪われた気さえした。

コレが…


恋……

「…おい何見てやがる」

数十秒じっと見ていたため流石にその男に気づかれてしまっていました。

「お前人間だろ。喰われてーのか?」

そうです。この男は、狼男です。最初から耳が4つあり尻尾まであることは解っていたけれどイサギは逃げませんでした。普通なら狼男と確信し、すぐに逃げるのが当たり前です。なぜなら食べれてしまうから。

イサギは信じたくありませんでした。自分の初恋が狼男なんて……

イサギがよく両親に言い聞かさていました。狼たちは人間を食べ、荒く、醜い存在なんだと……

しかしこの狼男は違いました。イサギは美しいと思ってしまっていたからです。醜いだなんてかけ離れた存在なんだと。

ここから逃げるか否か迷っていると…

「…遺言はなしか?さっさと死にてぇようだな

喰ってやるよ」

ぁやばい、やばい!食われる!何が逃れる方法は…

イサギは考えました。相手が気に障らないような策を。そして…

「食われたくありません!此処に良く来るので人が来るの珍しいなと思って。見すぎちゃいましたよね…」

「すみません…あまりにも貴方が綺麗すぎるので……」

「…は?」

狼男は一瞬理解が出来なかったようです。まあイサギの答え方が理解し難いんですから。

「お前なんて……?」

「え、あまりにも貴方が綺麗すぎるって…ごめんなさい気持ち悪いですよね…」

トホホ、と言いつつイサギは反応を期待していました。

「…当たり前だろ。お前は親たちから俺たちは醜いなんて聞かなかったのか?」

は、はぁ〜?!気持ち悪いだと?そこは否定だろ!俺の初恋奪っておいて何様だ!!ムカツク!

予想外の言葉に腹が立ちました。

「聞いていたぞ!だけどお前は綺麗で美しい!なのに気持ち悪いはないだろ!この初恋ドロボー!!」

怒りを爆発させたイサギはまだムッとしています。そんなイサギとは裏腹に狼男はクックックと笑っています。

「何が面白いんだ…」

「いや男の狼が初恋の哀れな童貞さんだなぁと思って。」

イサギは顔が真っ赤になりました。

「何だと!?お前が美しいから悪いんだろ!この暴言下まつ毛!」

イサギは差恥と怒りでもっと声を荒げました。


「ふーそうだ、俺ヨイチあんた名前は?」

怒りが治まった後イサギは狼男に尋ねました。

「…リン」

「!リンかぁ。いい名前だな!よろしく。」

「ん、」

まさか答えてくれるとは思ってもいなかったのでイサギはとても嬉しそうです。

「つかさ何でリンはこんなとこにいんだ?」


「仲間とはぐれた…」

これ以上聞かない方が良いとイサギは察知したのでその話の深掘りは後でにしようと考えました。

「…、そっか。ん〜これからどうする?」

「……そこら辺でしばらく居座るつもりだ。」

リンが指を差したさきにはボロボロの空き家がありました。

いやだめだろ…

ん〜どうしよっかな、、

まてよ。もしかしたらこれはチャンスなのでは?

「ななっリン。今日の夜俺の家に来いよ。近くにあるし。」

「いや、お前の同居人に迷惑かけるだろ。」

「俺一人暮し」

「…………」

「道は、あそこの林越えたら道にはいるからそのまま西の方向へ真っ直ぐ進んだら着くぞ。」

「…時間は?」

「!7時に玄関でチャイム鳴らして。」

「わかった」

よしゃぁぁ−−−−−!!

思わずイサギは心なかで大きなガッツポーズを作りました。それとは別にリンはどこか薄気味悪い笑顔でした。

はっ!とイサギはあることを思い出しました。

「あ!リンごめん。今からお婆さん家にいくから!」

リンに夢中になりすぎてお婆さんの家に行くのをすっかり忘れていました。走りながら向かこと十数分。

はあはあ

息を切らしながら玄関まで来ました。時刻は12じ25分。

「お婆さん!ぶどう酒もってきたよ!」

部屋に入りながら大声で楽しそうに言いました。しかしお婆さんはイサギとは真逆の表情をしており今にも怒鳴らそうです。

がちゃんっ

ドアを閉めると同時に、ドアについているベルがなりました。

少し日が落ちてころイサギはやっといま帰っています。なぜかって?お婆さんとの約束の時間を破ったからです。3時間遅れで切れない人はきっといません。遅れた代わりに家事全般やらされて、叱られたイサギはヘトヘトです。しかしリンが来るので一気に気分が上がります。

「帰ったら何しよっかな〜。あっ料理でも振る舞おうかな!」

よし!と決めたイサギは早足で家に向かいました。


グツグツ

「こんぐらいか…」

ぱかっと鍋の蓋を開けました。ぶあっと白い湯気が広がります。家のなかはたちまちビーフシチューの香りが充満しました。

「すぅ〜いい匂い!」

これでもかと息を吸い、満面の笑みで独り言をこぼしました。

「おっ!こっちもいい感じ!」

そばにある釜のなかを覗くとチキンがじゅぁわと焼けているのがみえました。

イサギがリンのために作ったのは5品です。

ビーフシチューとロースチキン、自家製のパン、サラダとフルーツ(ブドウと林檎)どうしてもリンに振り向いてもらいたいので、張り切ってしまいました。


(ビーフシチューはまだ温めとこ…)

一品づつ皿につぎわけますがヒチューは冷めたら美味しくないとお婆さんに聞いたのでまた鍋に火をかけました。

コンコンッ

お!リンだ!!

急いでエプロンをぬぎ、はーいと声をあげる

ガチャッ

やはり目の前に映るのはリンだ

「お〜来てく…」

「うおっ」

イサギが言い終わる前にバサッとリンがイサギを押し倒しました。

「はっ笑イサギ。俺信じたお前が悪い。」


第1話「一目惚れ」終わり





リクエスト募集

オメガバース設定いれるか・いれないか

つぎエロ入れるか

ご協力お願いします。


次回予告「大好きだから」

お楽しみ!







この作品はいかがでしたか?

144

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚