風にふかれ、花が宙を浮く
閉じていた芽も少しずつ出てくる
凍えるような風でもなく、温かな春の風だ
「で、あるから____」
どおも。今絶賛授業ほったらかして、外を見てます
rbrですぅ
ちらりと横目で前を見ると寝てた奴が怒られてる
教卓前て、、勇気あんなぁ
「rbr!お前もだ…」
お…
「まったく、最高学年とは言えないな」
「もう卒業やぞ」
はい。リア充ができる最悪なイベント。
まああいつらと別れてまうし、今回はましやな
俺にはとにかく仲の良い馬鹿がいる
その中でも一番仲が良えと個人的に思ってるsha
あいつ、学校から推薦受けて軍に行くんやったな
俺にはこれから予定がない。
まあ、ここの国にはおるし、大丈夫やろ
「 rbr急で申しわけない。会社での転勤が決まってな…」
「その言いにくいんだが、卒業式の日..なんだ、」
あと一、二週間
仕方のないことだ
「分かったわ…」
「そうか、本当にすまない」
shaに連絡でもしようとした
スマホに映った、俺の顔少し眼がくすんで見えた
…やっぱりやめよう
ふと、今までに撮ったツーショットの写真が頭から離れなかった
rbr!おはよう
でかい声出して、こっちに手を振る
「おはよーさん」
いつもよりも荷物が多い、野球道具だそう
重そうなので、持ってあげることにした
「ありがとーな」
「別にこれくらい筋トレに比べたら大した事ないで」
「チビやのに?」
「チビは関係ないわ!」
ケタケタ笑う声が連なる
これもあとちょっとか…
こんなときになんて、言えるわけがない
だまっていよう…
「なぁsha。もうそろそろ卒業やん?別れてまうから、遊ばん?」
「ええけど…どこで?」
「んー。どこ行きたい?」
「じゃあ…」
最後はさっと着飾った言葉になるやろから
今のうちに、何気ない会話を楽しまなな
黒板に貼られたカレンダー
卒業まであと1日と、綺麗な字が飾られている
家に帰れば、どこの部屋も空やし、遊ぶしかない
今日はどこへ行こう
カフェ、公園、ゲーセン行きたい所いっぱいあんなぁ
shaも忙しいやろから一つにしぼらな
遊び行った帰際shaが一言放つ
「明日、また。会おな」
「最後やから」
返事をしていいのか、わからなかった
「うん、会おな」
夕日がまぶしく、shaの方を見れない
後ろめたい、そんな気持ちは太陽に照らされても
消えることはなかった
これで、最後か…
畳むこともできず、まだその場に放置されているベットに身を投げる
もう、連絡はしたくない
また会う日まで…それまでは
ベットを片目にshaをブロックした
これでいい
卒業用の服だって、もう使わない
shaにだって、会うことはない
私服のまま、車に乗る。
表札もはずされ、光もない家
俺の卒業証書は、手元ある担任がこっそり送ってくれたものだ
窓を開けると、かすかに聞こえた、アナウンスの声
もう、始まったんやな
本日欠席のアナウンスが簡単に想像できる
俺とはもう会わない、会えないsha
あいつが言ってたように、きっと輝くような軍人になるに違いない
俺の結末なんて、とうに決まっている
枯れた茨通なのだ