この作品はいかがでしたか?
2,105
この作品はいかがでしたか?
2,105
e 「…なにこれ 」
目を開けると白い板。すぐには
理解出来ず混乱気味の頭を
落ち着かせ 思考を
めぐらせた。まず自身の感覚だと、
今自分はベッドの上に
仰向けになっている。そしてどこを
見ても全て白。誰でもこの光景を見れば
理解できるだろう。
e 「…病院か?」
重ったるい体を上半身だけゆっくり
起こし、身に覚えのない自身の腕や
首の痛みを覚える。
e 「…??」
またまた混乱していると突然 ガラッと
物音がした。どうやらドアが開いたらしい
先「あっ、起きましたか!良かった…」
e「えっと、…」
白衣を着た男性は私の反応を見て
理解したのか目を見開き
驚いているようだった
先「………まさか、覚えてないんですか?」
**********************************
私はどうやら交通事故にあい、
災難な事に記憶喪失になったらしい。
だが、全てを忘れている訳では無かった
自分の名前もわかるし、
常識的な数学の問題。礼儀作法
そんなものは普通にわかる
じゃあなにを喪失したかって?
…自分の「人間関係」にいて。
自分がいままで誰と喋って
だれと仲良くして、誰と共に行動して
そんなこと、一切覚えてない。
嘘だッ…最初はそう思った。
でも次の日から面会に来る多分
私の知り合いや友達、家族
誰一人覚えていなかった。
e「…早く思い出さないかなぁ〜、」
ベッドの上に上半身だけ起こし
本を読みながら誰もいない病室に言う。
急に勢いよくドアが開き、
ドアの衝撃音が響き渡った。
私はびっくりしすぎて大きく方を揺らす
u「ッetさん!!」
e「…」
見覚えのない青年。
髪は少し長くて、目は綺麗な赤茶色
世間で言う「イケメン」という
ものなのだろう。
そんなイケメンが、私の病室に?
なんのために、?
私は少し混乱に陥った
そこにもう1人病室に入ってきた
y「ちょっと〜、etさん困ってんじゃん」
u「げ…ッ」
ま、…またイケメン?
次は赤色の目。少し幼い顔立ちをした
「イケメン」が入ってきた。
なんだ、私はイケメン好きだったのか?
と思いながら話しかける
e「えと、こんにちは…笑」
2人はびっくりしたのか
言い合っていた話をやめこちらを向く
y「…その様子だと、俺らの事
覚えてないよね…笑」
彼の笑顔は気を使っているのか
少し悲しそうな顔だった
e「はい、…すみません」
私もそんな彼に申し訳なく、
軽くではあるが、謝罪をした
u「おい」
e (ビク
さっきまでのおちゃらけた雰囲気とは
代わり低く冷たいトーンで、
短く声を発した
u「…なんでお前が謝んだよ」
y「ちょっとur、…」
u「だってッ!…っ」
y「…大丈夫、
きっと分かってくれるよ」
やっと落ち着いたのか髪を整え、
深呼吸をする。ほっとしたのもつかの間
2人が多分同時だったと思う。
心に決めた様子で言ってきた。
「「etさんと俺、付き合ってるんだ」」
e「…は?」
意味がわからなかった。私が?
こんな顔の整っている人と?
しかも2人、?訳が分からず
眉をひそめてしまった。
y「本当によく分からないよね…笑」
e「…えと、、はい」
y「あ、自己紹介してなかった」
u「…ur」
y「yaです、」
e「yaさんと、…urさん」
聞き覚えは全くなかった。
それに、私の好きになるタイプでは
全くない。何故か思った。
本能的に?よく分からないが、
この2人には違和感を覚えた。
e「つ…きあってる…?」
勇気を振り絞り、震えながら言った言葉
y「うん、そうなんだ」
y「俺とurはetさんと付き合ってる」
e「…ふたり…??」
y「、、うん」
y「記憶が無くなる前のetさんは、
krptっていうグループに入ってて
ゲーム実況をしてた。
俺らもそのメンバー」
e「はっ…はぁ…」
訳が分からない。私はそもそもゲームは苦手だし、人と群れるのも好きではない
なのになぜ?余計意味がわからない。
それでもyaという人は話を続ける。
y「それで俺らは少しして、
etさんが好きになったんだ。」
e「…」
y「2人とも好きだったから、
思い切って一緒に
告白してみたんだよね、笑」
yaの顔は少し悲しそうで辛そうで
それでも無理やり笑ってる、そんな顔に見えた。私はそんな顔をさせてしまい申し訳なくなり顔を伏せた。
y「そしたらさ、
etさんこう言ったんだよ」
y『いいよ、二人とも付き合お』って」
e「…」
y「今思うとおかしな話だよね…笑、
でもetさんは後にこう付け足した」
y『1年間で、どちらかと別れる』ってね
e「え」
y「etさんはどちらとも1度付き合って
どっちかを選ぶ。そんなことを
俺らに言ったんだ。」
y「だから、俺らは
選 んでもらわないといけない。」
y「今は9月。あと3ヶ月で選ばないと」
e「でっ、でも…私記憶ないし」
y「でもetさんが言ったんだよ?」
e「うっ…」
何も言えずに黙り込むとyaはこう言った
y「etさん」
e「?」
私が顔を上げると額に唇を寄せられた。
そして彼は私ににこりと微笑み、
y「忘れたなんて、言わせないよ」
e「ぁ…あ…」
みるみる顔が熱くなる。多分私は今
耳まで赤くなってゆでダコ
みたいになっているのだろう。
y「…それじゃあ俺はまた後で来るから」
y「etさんはurと話しててね」
そのままyaは病室を出ていってしまった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
e「…」
u「…」
き…気まずい…
u「…大丈夫か」
e「え、っ?」
u「その…頭、怪我してないかって…」
e「え、うん…大丈夫ですよ」
e「怪我はしてないし、記憶
吹っ飛んだだけです!笑」
u「…ふっ、そか」
urさんも、そんなふうに笑うんだなって
少しびっくりしたけど、私が一緒にいたのもなんかわかった気がして少し嬉しくなった。
e「…urさん」
u「?なに」
e「私って…どんな人でした?」
u「……そーだな、まぁ優しい人だったよ
可愛くて、雑で、、
少しヤンキーぽくて
…まぁとにかく天使みたいに
可愛かった、笑」
e「…そ、うですか」
なんだかそんなに言われると
思ってなくて恥ずかしくなってきた。
u「…それに俺はetの事、大好きだよ」
e「…へっ、?」
一気に顔が赤くなる。恥ずかしくて
嬉しくて、さん付けじゃないのも
恥ずかしいのに大好きなんて
強烈ワードに耐えられるわけが無い。
それでも彼は話を辞めない。
u「世界一大好きな自信がある」
u「大好き、愛してr」
e「っ…ちょ、やめてください」
u「え?」
e「きゃ…キャパオーバーで…す…」
u「…ふっwふはっ」
u「んじゃあ、また明日」
e「うん、また明日!」
2時間後くらいには敬語も抜けて、
ur君とは通常くらいには
話せるようにはなった。
前の私は呼び捨てだったらしいけど
それはもう少し待って欲しいとお願いし
ur君で許してもらった。
e「…今は、、2時か…」
e「ん〜、なにしよ」
そんな呑気な考えをしていたら、
ドアが開き、自然とそちらをむく
y「やっほ、etさん」
e「ya…さん、?」
y「うん、yaだよ」
さっきも思ったが、
とても容姿が整っている。
そしてどこか不思議で…
なにか少し感じ取りにくい人
e「えっと…どうかしました?」
y「うん、etさんに用があってね」
e(…私に?)
そのままyaはベッド近くのパイプ椅子に
ゆっくり腰を下ろし、どこか
不思議な笑顔をして話し始めた。
y「…etさん、俺らさ付き合ってたって
話をしたじゃん」
e「…はい」
y「…あれ、嘘なんだよね…、笑」
e「え?」
y「俺はetさんに1ミリも興味もないし、
これからも持つつもりもない。」
急に情報過多すぎで、意味がわからない
付き合ってなかった?さっきのは作り話?
色々な気持ちが込み上げてき、
涙目になりそうだ。記憶は無いはずなのに何故か苦しい、なんなのだろう。
y「良かったね、
urはetさんの事好きだってよ」
e「なん…え、?」
yaはめんどくさいのだろうか?
ため息をついて早口で喋り出す
y「…だから、付き合ってないの、俺らは」
y「俺はetさんの事好きでもないし、
嫌いでもない。何も思ってない」
e「じゃあ、なんでそんな嘘…」
y「………」
なにか後ろめたい秘密でもあるのか、
彼はそのまま黙ってしまった。
だが突然口を開ける
y「面白そうだと思ったから」
y「etさんが丁度記憶なくなったって聞いて
なんか面白い事出来ないかなぁ〜って!」
e「…」
怒りのせいなのか、悲しみのせいなのか
よく分からないが、彼に対する気持ちが
良い気持ちでは無いのは明らかだった
私は気持ちが大きいあまり、
何も思えなくなっていた。
y「じゃ、俺帰るわ早く退院できるといい ね!」
そんな事を言ってニコッと先程と同じ笑顔を私に向けてそのまま彼は振り向かずに部屋を後にした。
e「…なにあいつ、、最悪」
ごもっともな感想だ。でもそれとは
裏腹に私の顔はじわじわと
何かでぼろぼろになっていた。
e「…なんだよ…ッ早く戻れよ…っ」
病室に1人。
少女の泣き声だけが響きわたった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
数ヶ月前
y「ねぇetさん!!」
仲間と一緒に過ごしているシェアハウス。
そんなシェアハウスの1つの部屋に
響く彼の声。そんな彼の声に
優しく返すように彼女の声が聞こえる。
e「どしたの〜?」
y「俺、etさんが好きだよ!」
彼女は少しぎょっとした顔をしたあと、
いつもの柔らかく爽やかな笑顔で返す
e「もぉ〜冗談やめてよ〜笑」
y「冗談じゃないってば!!…むぅ」
彼は少し頬を膨らまし、悩んだ末何かを思いついたのか正座になり真剣な眼差しで彼女を見た。
y「…俺、etさんのこと好きです。
俺でよければ、付き合って欲しいな」
そんな甘い言葉を聞かされて彼女も
さすがに狼狽え、頬を赤くする。
だが直ぐに、にこりと笑いこう返した。
e「いいよ、これからもよろしく!」
俺の、幸せな思い出。
俺の、…辛い思い出。
y「…ur?今、…なんて」
彼の衝撃的な言葉に、俺はもう一度問う。
u「だから…俺…etさんのこと…好き」
そんな彼の答えは、
俺を恐怖のどん底に突き落とした。
y「いや…俺etさんと付き合ってるし」
u「それはっ…分かってるよ…でも俺は
etさんが好き…それだけは変わらない。」
彼の真っ直ぐな目は、俺の不安を
突き刺すような…綺麗な目をしていた。
そんな不安の中、彼女が事故にあった。
意識はあるものの、記憶が無い。
最悪だ
u「なぁ、etさん…記憶ないじゃん、、」
y「…?あぁ」
u「…俺にも、チャンスあるかな」
y「っ……〜……っ…あぁ」
「あるんじゃない?」
ッッ…あーぁ…ほんとに馬鹿馬鹿しい
なんであるなんて言ってしまったのだろう
なんでこんな設定に
してしまったのだろう。
なんでurに
希望を持たせてしまったのだろう。
でも…でも
譲るつもりなんてなかった。
なかったんだよ…っ
e「…笑笑」
ur「笑」
あんな、、etさんの笑顔…
見たこと無かったのだもの。
あんな無邪気に笑ってて…可愛らしい
etさん。
俺じゃあ、…あんな顔…
させてあげられないよ…っ
君との距離はたったの1枚の壁を隔てた
数メートル。でも、それでも
俺には何十キロにも遠いと思えたんだ。
y「…ッこんな気持ちになるなら…ッ
最初から付き合わなきゃ良かった…っ」
7年後
urとetが結婚した。
etの記憶はやっぱり治らなくて
でも、etはurともう一度やり直すことを
決めたらしい。
俺もこれで幸せ。
だから、…君に花を贈ったんだ。
「赤いアネモネ」をね、。
彼女はすごい喜んでた
おれも嬉しくなった。
ya君に花を贈られた、赤いアネモネだった
すごい嬉しかったし、幸せだった。
でも花言葉を調べてみたら
「________ッ」
調べなければよかったと思った。
調べなかったら…こんなに
顔が熱くなって…目から何かが
こぼれ落ちることなどなかったのに。
それに______
e「なんで…今思い出したの…っ」
思い出すことも、無かったのにな______
コメント
8件
えとさん思い出したんですね。ゆあんくんなんでそんなに潔いんだよ…元々付き合ってたのに…好き同士だったのに。うりさんと話してた時のえとさんの笑顔でわかったことは確かにあったかもだけどもっとゆあんくんにしかえとさんにしてあげられないことあったでしょ?
あのpちゃん作品作るのうますぎません!? あのいつもコメントとかはできてないと思うんですけど(?) もうこの作品は手が止まらなくて… コメントさせていただきました! 赤いアネモネ…調べさせて もらいました、まぁ何かとは 言いませんけど笑
あぁ...赤いアネモネと出てきた瞬間花言葉を調べました。深くてどうゆう感情なのか友達の中でも1番愛すよ。なのかそれとも本当に「結婚」したいような愛だったのか...最後eさんはどーなるんでしょうか...