あ、これは夢だ。僕はそう気付いた。だって、世界の端々が不安定だから。まるでピントの合わない写真のようにこの世界は全体的にぼやけていた。
どうしよう、どうやったら戻るんだ。僕は意味もなく事務所の中を動き回っていた、ら
突然目の前が真っ暗になった。そして目の前にいたのは委員長と思わしき人だった。やはりぼやけている。そして微動だにしない。
「…あの、委員長?」「……」「大丈夫です「剣持さんなんて要らない」……え、」
耳を疑った。夢だと分かっていても、ずっも憧れ続けたあの人に言われた言葉は鋭い刃となって僕の心に突き刺さった。胸が苦しい、痛い。胸元を見ても何も無い。それでもこの痛みは引かない。
次に目の前にいたのは社長とふわっちとkidくんだった。「剣持さん、失望しましたよ」「もちさんそんな人やと思わんかった」「……もちさん、さよなら」
いやだ、やめてよ
仲間が、友達が、家族が皆僕の元を去ってゆく。
最後に現れたのはガっくんだった。僕は耳を塞いだ。彼からの失望の言葉なんて1番耳にしたくなかった。
「tyさん」やだ、なんで
耳を塞いでも彼の言葉は塞がれない。まるで脳に直接語り掛けているようだ。「がっくん、やめてよ、やだ……たすけてよ!」縋る思いでそう言ったが、何も言わない。もう僕は終わりなのかもしれない。
ガっくんは僕に近付くと、僕を優しく抱き締めた。周りがパァっと明るくなった。
「大丈夫、大丈夫」優しく笑ってそう言った。僕はガっくんの匂いに安心したのか深い眠りへと落ちていった。
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