『ウグッ…ウエエエエエエエエエエエエエ…』
そんな唸り声を上げながらふと僕は地面を見る。
そこには沢山が花があった。
やはりそうなのだろう。きっと僕は花吐き病にかかってしまったようだ。
先日からずっと花を吐いてばかり。探偵社にもそこまで顔を出せていない。
『片想いをこじらせ過ぎたかも…はは…』
僕はどうしても芥川が好きなのだ。
だがしかし芥川が知ったらどうなるだろう。
同性愛者は気持ち悪いという思考に至るのだろうか?
否だ、芥川に嫌われたくない。
だがしかし、いくら経ってもこの花吐き病は治りなんかしない。
『少し散歩にでも行こうかな…』
公園の中を歩いていると段々と目眩がしてきた。
気が付くと僕は路地裏にいた。
バタッ
そんな音が路地裏に鳴り響く。
目を覚ましたところは監禁部屋だった。
どうやら僕はどうも誘拐されてしまったらしい。
孤児院の時のようなあの部屋…
其の時、人がコツコツと歩いてくる音が聞こえた。
モブ『お目覚めか…?英雄さんよォ!貴様には今から俺のサンドバッグになってもらうぜ!!』
『や、やめ…!ウグッ…!』
👊👊👊×40
1時間か?それとももっとか?僕の身体は傷が沢山あり、殴られた跡があり、アザが沢山出来ていた。
『フーーハーーースゥゥウーハァァー…ヴェ!?ウエエエエエエエエエエエエエ』
息を整えていると朝にも見た光景が流れ込んできた。
沢山の足元に落ちる花。自分でも見てて嫌になる。
あれから3日間、僕はずっと花を吐き続け、ずっと殴られ、アザがもっと多くなった。辛い。ここから抜け出したい。
そんなことを思っていると今日もコツコツと足音が鳴る。
しかし今日はなんだか違う。何時もの靴の音では無い。異変を感じつつも、
僕はそのまま俯き体制を維持する。
其の時聞こえたのは聞き覚えのある声だった。
「「人虎!?」」
この声は間違いなく芥川の声だった。
俯いていた顔を上げる。そこには矢張り芥川が居た。
『なんで…ここに来たんだよッ!』
少しは本心だった。芥川にこんな姿見られたくなかった。
せめてずっとライバルという関係で居たかった。
「何故ゆえここに居る。」
『誘拐された…。』
そう答える。
それを聞いた芥川は何故か心底何かを恨むような顔をしていた。
「少し待っていろ。」
そう言った芥川は何処かへ走り去ってしまった。
暫くすると足音が聞こえてきた。
顔を上げて見るとそこに居たのは何時もの人だった。
モブ「今日もよろしく頼むぜ!サンドバッグよぉ!」
其の時、拳が顔の前で止まった。
前には芥川がいた。
「貴様か?人虎をこんな姿にしたのは…。」
何かがおかしい。腹の中から何かが込み上げてくる。
芥川の前で花を吐くわけには行かないのに…!
そうやって口を抑えていると芥川の声が聞こえてきた。
「さあ、早く出るぞ人虎。…?何故口を抑える。」
そう言いながら僕の手を口から離そうとする。
必死で抑えた。…が僕の手はいとも簡単に引き剥がされてしまった。
『ウグッ…!?ウエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ』
そこに見えたのは何時ものような花ではなかった。
白銀の花だった。
『…!?』
「なんだこれは…?」
『はは…気持ち悪いよね。僕、花吐き病に掛かってしまったみたい。ずっと…芥川に片想いを拗らせていたから…。』
其れを聞いた芥川は口を抑え、顔を赤らめていた。
「そ…その僕も…だ。花吐き病にはなっていないが…。僕も好きだ。」
『…!ほんとにか?』
「ああ、本当だ。僕、嘘は付かぬ。」
カァァァァアアアっと自分の顔が赤らんでいるのを感じた。
『そ、その…今日から…よろしく…?』
「あぁ…こちらこそ…」
end…
最後雑になりましたけど終わりです!長く見てくれてありがとうございました!良ければリプで感想聞かせてください!!
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