zm「__ぶーんぶんぶんぶん!!!!!」
そう叫びながら運転するゾムは凄く元気そうだ。
…でも流石に飛行機一回転するのはちゃうやろ。
ci「うわぁぁぁああ!!!!」
em「ぞむさん!!??やめて!!!!しぬしぬしぬ!!!」
2人とも必死に訴えかけているが
見向きもしない
zm「ふーん!もっといくぜ!!」
飛行機の速さをMAXにし、またもや一回転をする
ci「おぇ”ッ…酔ってきた…、、」
何回も回られて気持ちが悪くなる
em「だだだだ大丈夫ですか!?チーノくん!」
エミさんは毎日連れられてるので慣れているのだろうか。
平気そうに俺を心配する。
ci「う”ん…ありがと、、」
em「安静にしててくださいね…」
優しい声で励ましながら俺の背中を撫でる
zm「… (((むす…ッ」
ちらっとゾムの方を見てみると
不満そうにコチラを覗いている
ぁ、そういえばコイツらって…
…やべ。
zm「おいチーノ。そこ変われ。」
em「ぇ、…でも今動かすと…ッ、、」
ci「…大丈夫やエミさん、、休憩しよ…!」
反抗しようとしたエミさんを止めてから
俺は飛行機から降りる。
もっと怒らせると殺られるかもやからな…
降りた瞬間、どこからかゾムがすぐに現れてエミさんの隣を取った。
zm「ん〜ッ!!エミさんの匂いやぁ!!」
ゾムは飛行機の席に座りながらエミさんの腕を両手で抱き、ずっとくっついている
em「もー…ゾムさん…?降りましょ、?」
zm「ッおん!」
ci「んむ……ッ、ご飯うま……」
zm「やろォ?今回は俺が作ったんやで!」
自慢気に笑顔で言ってくる。
em「ゾムさんってほんとなんでも出来るんやね……。」
zm「……そう……、?」
em「いえ…。褒めているわけでは無いです。毎回ゾムさんの手を見ると傷だらけじゃないですか…!毎日7時間以上訓練してると思いますし…体調大丈夫なんかなって、。」
zm「……ッ~!!大丈夫やで!!!ありがとうッ!!」
そう大きな声で言い、エミさんを抱く。
ci「…………」
ゾムは多分
「なんでも出来ていいなぁ」
っていう褒め言葉嫌いなんやろな。
「なんでもできる」
この言葉は努力ではなく勝手に才能だと見られる。
おそらくゾムは小さい頃から、毎日毎日毎日死にそうになっても訓練してきた。
誰よりも強く戦って、誰かの役に立てるように。
剣も、弓も、ナイフも、銃も戦えるものは全て身につけて。
なのに。
_その毎日の努力を、
誰も見てくれない。
皆全部
「なんでもできる」
で、済ましてしまうから。
今まで欠かさずやってきた努力を
「なんでもできる」
というたった一言で、
踏みにじってしまうから。
だからゾムは
この言葉が大嫌い。
けどエミさんだけは
ゾムをしっかりと見続け
違和感に気づく。
手の傷、体の動きの変化、顔色、
服の汚れ、食欲、睡眠……
ゾムの全てを知っているからこそ、
「なんでもできる」
という言葉を心配の意味にして
ゾムに言った。
エミさんのこういう所が好きなんやろなぁ……
ゾムは。
ci「……んふ…ッ。んじゃ、そろそろ行くかぁ!」
em「せやね、!」
数十分ほど休憩を取ってから
また飛行機へと急ぐ。
zm「次チーノ運転な?」
ci「任せろ」
ちょいとグータッチを交わしてから
互いに席に乗り始める
ci「もうすぐ着きそう……」
小声で呟く。
ちょっとした好奇心で後ろの2人を見てみると
ゾムはエミさんの膝に頭を乗せ、ぐっすりと寝ていた。
……最近戦争のこともあって任務だらけやったからな、。
休んでほしいわァ……。
そう思った時、エミさんと目が合った
em「……((ニコッ…」
ゾムさんはもう大丈夫ですよ……と言っているように笑顔をしてくれた
俺は安心してから笑顔をエミさんに返し、
前へと振り返る。
日常国まで残り20分。
____お兄ちゃん待ってろよ。
next_⌖. ꙳♡200⤴︎︎︎