藤千

るあのやつです！！

俺は “後悔”した。  高校卒業のとき初恋だった千早に告白する予定だった。でも タイミングを逃した。俺は臆病だった 、俺はやるときはやると決めてたのにっ…！！

「 千早っ…！！俺、お前のこと、！ 」

「 俺のことがどうしたんです？ 」

振られた後の関係が崩れるのが嫌だっただけだ、言ってどんな反応をされるのかが怖かったっ、…

自分も、初恋が同性だなんて思っても見なかった。

「 …っ、やっぱなんでもねぇ！ 」

「 そうですか 」とどこか悲しそうに微笑んだ千早の顔は今でも印象に残っている。

高校を卒業して早3年が経った。俺は大学で野球をしている。俺の初恋件、同じ二遊間を守っていた相棒の千早は高校卒業とともに顔を合わせなくなっていった。寂しさも感じていたが、千早も千早で忙しいのかと思い連絡するのは辞めた

最初に出会った頃はなんだこいつ、野球はフィジカルと根性が1番大事だろ。とか思っていたけど、話すうちに笑いのツボが一緒だったり、一緒にいるのが当たり前の存在になった。恋愛感情はいつから抱いていたのかわからねぇ。いつからか千早とそういうことをしたいと思っていた。

会いてぇ、千早いまなにしてんだろう。とか考えてると余計会えないのが悲しくなるし虚しくなる。

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突然千早からメッセージが来た。

「 ちょっと報告したいことがあります

明日の1時に駅前のカフェで久しぶりに話しましょう」

これは現実か、と何度も頬を叩いたが痛かったので現実だった。

3年振りに千早に会えると思うと鼓動がどんどん早くなった。いまなにしてるのか、どこに住んでるのか、話したいことがたくさんあって今日は寝れそうになかった

翌日 千早に会う日になった。寝ずに話す内容を妄想しては、あれやこれと考えていたら朝になっていた

集合場所につくとすでに千早は居た

「早かったですね。藤堂くんのくせに 」

「 くせにってどーゆー意味だコラ 」

久しぶりに千早と並んで歩いていることが嬉しかった。

カフェの中に入って注文をして、しばらく会話がはずんだ

「 千早いままでなにしてたんだよ、 連絡もうちょいよこしてくれてもよかったのに 」

「 普通に大学生してますけど 」

「 野球は？続けてんのか？」

「 まあ、一応 」

「要くんと清峰くんはプロ行き、山田くんは〜〜大学で野球してるらしいですよ 」

「 やっぱ怪物バッテリーはプロ行きだよな〜笑」

そこで絶望は訪れた。

「 そういえば報告？ってなんだよ 」

「 ああ、そうでしたね。俺結婚しました、笑」

そう言って千早は左手を見せる。

は？という言葉が自然と口から出たのは言うまでもなかった

「だから、結婚しました。藤堂くんより先越しちゃいました笑 」

「 あ、あぁ…、そうか、よかったな笑幸せになれよ！ 」

「 はい、言われなくてもなりますよ笑 」

ああ、くそ。あのとき告白しとけばっ……！！

俺は、後悔に後悔を重ねて、深く眠りについた。

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次、藤堂！ 先生に起こされる声で目が覚めた。

突然目覚めた場所は、高3の3月中旬の、もうすぐ卒業が近づいたころの教室だった。

周りを見渡すと隣に千早がいて、こっちをみてクスクスと笑っていた。

多分、俺が起こされたからだ。

待て待て、状況がわからねぇ。

そもそも俺は大学生だったはずじゃ、なんで小手指高校にいんだよ、わかんねぇよ。

「  ここどこすか 」

「お前は何を言っとるんじゃ！！授業中の教室だばかもん！ 」

「 何年生の？ 」

「自分の年齢すらも忘れたのかお前は！18歳だ！」

は…？   もしかしてこれ夢なのか…？

頬をこれでもかと言うほど叩いた。結構痛い。

これは夢じゃなく現実、…？！

俺はこの機会をぜってぇ逃さねぇ。

そして千早と結婚するのは俺だ…！！

高校の頃と同様で勉強は分からなかった。ずっと寝てたからか

卒業まであと3日をきった。

告白なんかどうなったっていい。当たって砕けろだ！！

「 千早、伝えたいことあんだけど 」

「 どうしました？勉強なら教えませんよ笑」

「俺、お前のこと好きだから、付き合ってほしい。」

我ながら、シンプルな告白の仕方だな、ダサかったかもなと思った。

そう思いながら千早の顔を見た。

目が潤んでいて、両手で口を抑えて、とても驚いていた。

え、なんかまずいこと言ったかな、やべぇかも。

「わりぃ！！傷つけたくて言ったつもりはねぇんだけど、ごめん、」

「 いまので傷つく要素ないでしょう、笑 」

「 結果 聞いてもいいか…？ 」

「 だめとかあるんですか、笑」

「いいですよ。こんな俺でいいならですけど」

「 ほんとか、…！？」

「 俺こーみえて、1年のときから藤堂くんのこと好きでしたよ笑 」

「 やべー、かわいい 」

そう言って俺は千早を抱き寄せた。

笑いながらほろほろ涙を流す千早は、とても愛らしく、可愛かった。

いやなんかほんとに没作かもごめんねるあ！！