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B軸の鏡花ちゃんが、現軸の太宰さんに出会う話です。
カキンッー!!
B鏡「ハアッハアッ…」
強い。夜叉と私の2人がかりでギリギリ戦えている。何か解決策は?敦…は今は出張だ。せめて後1人武闘派が来れば…。
敵「考え事かツ!?隙だらけだなァ!!」
プスッ
B鏡「ア゛ッッ…!?」
私は背中に何かを刺され、私の意識は消えてしまった。
B太「…おかしいね。」
B中「なにがですか?」
B太「鏡花ちゃんが帰ってこない。すぐそこで戦っているのなら遅くても30分で帰ってくる。なのにもう1時間だ。」
B中「そうですか。なら見てきましょう。」
B太「あぁ、頼むよ。」
コッコッコッコッ…
B中「鏡花ァー?」
シーン…
B中「?」
確かにこれはおかしいな。この辺りで戦っているなら声は絶対に聞こえるはず。まさか…?
B中「鏡花!!!」
帰ってくるのは静寂のみ。鏡花の声、戦闘音すら聞こえない。
B中「鏡花が消えた…?」
目が覚めたら、私は川辺にいた。何故ここにいるのかはわからないが、横浜の川だ。地形や建物は全て頭に入っているからわかる。けど私はまだ力が入らないため、起き上がることができない。
「大丈夫ですか…?」
誰だろう。私は今うつ伏せだから顔を見ることができない。けど、この声に聞き覚えがある。
「ちょっと失礼しますね。」
と言ってその人は私を持ち上げて、座らせた。その人と顔が合った時、私は確信した。
B鏡「……………敦。」
敦「!? 君は…?」
B鏡「…泉…鏡花。」(掠れ声
敦「鏡花…ちゃん?」
B鏡「ねぇ、敦、何故ここに?それにいつもと雰囲気が違う。敦だけど敦じゃない。」
この人は誰だろう。
敦「僕は…………。」
…ん?止まった?
B鏡「どうしたの?」
敦「ごめん、鏡花ちゃん。ちょっと待ってて。」
敦はそう言って川に飛び込んだ。なにがしたいのだろう。と思っていたら、敦が男性を引っ張り出してきた。すごく慣れている。普通ならもっと時間がかかるはずだ。敦は一分ほどで帰ってきた。
敦「ごめんね鏡花ちゃん。太宰さんはいつも川を流れてて、拾わなきゃいけないんだ。」
B鏡「…………」
太宰。太宰?太宰治?ポートマフィアの?首領?何故川に?自殺?入水?けど首領になってから一度も出ていないはずだ。何故敦と知り合い?何故?何故?何故?
B鏡「ハァッハァッ…ハッハアッ…」
敦「鏡花ちゃん!?」(どすっ
(太宰さんを投げる
太「いてっ!もう!敦くん!痛いじゃあないか!!…敦くん?その子は?」
敦「えっと…。」
B鏡「ボ…首領………。」(ガクガクブルブル
敦/太「!?」
B鏡「任務…ッすぐに、帰れッなくて…す、すみまッせ、ん…。」(怯え
敦「鏡花ちゃん…!?」
太「私が首領!?」
B鏡「ハァッハァッ」
敦「鏡花ちゃん!落ち着いて!大丈夫だから!」
敦くん曰く、この子は鏡花ちゃん。だけど、どこか違う。おそらく彼女も私や敦くんに対して同じことを思っているだろう。私のことをみて『首領』と言い、敦くんとすぐに打ち解けた。まさか…ね。あの記憶を持っているのは私だけだ。いや、待てよ?まさかあの世界の…?だとするともしかして…?
太「鏡花ちゃん、敦くん。一度探偵社に戻ろう。嫌な予感がする。」
敦/鏡「? わかりました。」
時は遡り、B中が探しに出た頃
キィィィィィン
突然、謎の白い光に部屋が満たされる。
B太「なんだ…!?」
スタッ…
静かに着地をした、赤い着物を着た少女。
紺色の長い髪を二つの花飾りでまとめ、静かな、優しい目でこちらを見つめる。
そして、彼女は不意に、口を開いた。
鏡「…….太宰さん?」
彼女は、あたりを見渡す。
太宰は答えない。静かな目で見つめ返す。
鏡「ここはポートマフィア…?何故ここに?紅葉さんに見つかる前に帰らないと。」
B太「君は誰だい?」
太宰は、冷たく、圧のある声で問う。
鏡「………私の名は泉鏡花。あなたは、太宰さんじゃないの?」
B太「…私のフルネームは?」
鏡「太宰治。」
B太「私の好きなものは?」
鏡「蟹、味の素。」
B太「嫌いなものは?」
鏡「犬、中也さん。」
B太「全問正解…。」
鏡花は訳もわからずに答えた。
太宰はこの少女が何者かを考えた。
その結論は、
B太「君は、違う世界の鏡花ちゃんだね…?」
鏡「違う世界…?」
B太「そう、ここは本の世界。無数にある可能性の内の一つの世界なんだ。」
鏡「…敦は?」
B太「敦くんなら、今は出張中だ。」
鏡「敦が…ポートマフィア…?信じられない。芥川は…!?」
B太「武装探偵社。」
太「乱歩さん!いますか!?」
B鏡「首領が敬語…。」
敦「あはは…。ここでは、乱歩さんの方が上だからね。」
私は、首領に戻ろうと言われてからずっと敦の服を後ろから握っている。離れたくないけど、手を繋ぐのは少し気まずいため、服を握っていたのだ。
乱「鏡花のことでしょー?」
太「! 流石乱歩さん笑」
B鏡「なんでわかったの?」
乱「わー、ほんとに違う世界の鏡花なんだね。顔は一緒だけどやっぱり違うね。あ、なんでわかったかって?それは僕が世界一の名探偵だからだよ!」
B鏡「………。」
敦(鏡花ちゃん…苦笑)
太「鏡花ちゃん。」
B鏡「はい…。」
ドクン ドクン ドクン ドクン
心臓の音がうるさい。鼓動が早く、少し痛い。
ぽんっ
その時、私の頭に首領の手が乗った。
太「そんなに怯えなくて大丈夫さ。私は私だけど、そっちの私じゃないんだからね。」
そう言って首領…いや、太宰さんは私の頭を撫でてくれた。
そういえば…。
B鏡「…あの、こっちの私は?」
太「おそらく、そっちにいるよ。」
鏡「それで、私はどうしたら帰れる?」
B太「うーん、こっちにくる時、何してた?」
鏡「入水してるであろう太宰さんを敦と手分けして探しに、川の近くを歩いてた。」
B太「そっちの私ってそんなに自殺未遂繰り返してるのかい…?」
鏡「日常的に。」
B太「そうか。」
その時、強烈な光が現れた。
鏡/B太「!?」
B太「お別れだね。またね。鏡花ちゃん。」
鏡「! それじゃあ。」
キィィィィィン
全員「!?」
乱「お別れみたいだね。」
敦「鏡花ちゃん!」
敦は鏡花に抱きつく。
敦「またね…。」
B鏡「うん。元気で。」
どさっ
B鏡「痛い…」
B中「鏡花!!お前どこに行ってたんだ!?」
B鏡「きっと、首領ならわかります。私よりも首領に聞いた方が、わかりやすいと思います。」
B中「…鏡花?お前、なんか変わったな。」
B鏡「?」
すたっ
鏡「あ、帰ってきた。」
敦「鏡花ちゃーーーん!!」
鏡「敦…。」
終わりです。
読んでくださりありがとうございました。
リクエストぜひお願いします。
それでは。