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遊園地デート
『全然待ってない。今来たところだ』
待ち合わせ場所に彼の姿が見え、遅れたかな?と心配になって小走りで向かう○○。「ごめん、待った?」って聞くと真剣な表情でそう言ってくれる。本当は今来たっていうのは嘘かもしれないけど、もし早めに着いててもそう言ってくれる。
『○○、今日の服装も似合ってる』
『ネイルも変えたのか、可愛いな』
さらにどんな細かいことでも会った瞬間気がついてくれる彼。思ったことも真面目に伝えてくれるから○○も内心嬉しくてつい可愛い笑顔を浮かべてる。
それ見た彼も薄く微笑んでから”行こう”と当たり前のように○○の手引いて歩き出す。優しく繋がれた手に動揺と緊張を隠しきれずにそのまま入場ゲートへ向かう。きっと彼は彼女と手を繋ぐことが当たり前だと思ってる。
ーーーゲート前
「わー!!楽しそうだね!」
『初めて来たが、すごい迫力だな…』
はしゃぐ○○と初めての光景に驚愕の彼。視線の先には色彩豊かな景色が広がっている。それはまるで2人のデートを色付けるように。
『人が多い、俺から離れるな。』
そう言って彼は手を繋ぐ力を強めた。さりげない紳士的な彼の1面に再度惚れ直す○○。気遣いも褒めも真っ直ぐにしてくれて基本リードしてくれる。
『何処か行きたい所はあるか?』
「うーん…あ、あそこ行きたい!」
2人が向かったのは入口付近の小物ショップ。きらきらした可愛い空間に困惑しているが、○○は楽しそうに目を輝かせて彼に似合うカチューシャを選んでいる。○○が”これ似合いそう!”って可愛らしいカチューシャを付けてあげると
『俺がこれを付けるのか、?』
少し照れたようにまたまた困惑する彼。まさか自分が付けるとは思ってなかったらしく、戸惑いが隠しきれていない。そんな彼を見て満足気に笑っていると、
『やっぱ○○は可愛いのが似合うな』
彼の手が優しく○○の頭に触れる。自分だけ付けるのは変だと思い、色違いのカチューシャを付けてくれた。○○もまさか彼から付けてくれるとは思っていなかったから、不意に可愛いと言われ満更でもない様子。そのままお揃いのカチューシャを購入し、2人は夢の国へとゲートをくぐった。
ーーー入場
パーク内の賑やかな雰囲気が2人を包み込む。歩きながらふと横を見ると、珍しく声を上げている彼がいた。
『な、なんだあれは!?』
『○○、人が大量落下死してるぞ…!』
初見の遊具に少しズレた感想の彼。JCCで育った彼だからもちろん遊園地なんか来たことなくて、ずっと”新手の殺し器具か!?”なんて言って警戒してる。そんな彼が何処か愛おしくて思わず笑ってしまう○○。目の前の殺し器具と横で笑っている○○に状況が分からなくなり、不思議そうな彼に咄嗟に伝える。
「あれはそう言うアトラクションなんだよ!」
『…すまない。勘違いをしてしまった』
盛大に勘違いしていた事に気がついた彼としばらくそれに笑っている○○。賑やかな雰囲気の2人は再び歩き出し、遊園地を堪能しに行った。
ーーー
彼と沢山のアトラクションに乗ったり、食べ歩きをして楽しい時間を過ごした。
アトラクションに乗る時は「大丈夫か?」って気遣ってくれたり、歩いてる時も「荷物、重くないか?」って鞄持とうとしてくれたりで終始紳士な彼。その反面、乗り物に乗る時はまだ警戒が薄れていない彼もいた。
ーーー
日が暮れ始め、パーク内がオレンジ色に染まる頃、最後の乗り物へと向かった。”最後と言えばこれでしょ!”って○○が手を引いて着いたのは観覧車。夕焼け色のなかでゴンドラに乗り込む2人。もちろんその時も安全を気にして手を引いてくれる彼。
ゆっくり登っていく間も「今日楽しかったね」なんて2人で今日のデートに浸っている。
「観覧車のてっぺんってドキドキするよね」
2人を乗せたゴンドラが段々頂上へと近づく。綺麗な景色に見とれていると、不意に彼との距離が近くなる。不思議そうに横を見ると彼が口を動かす。
『○○、キスしてもいいか』
突然真剣な表情でそう言う彼に驚きながら顔が赤く染まる○○。そんな眼差しで見つめられると断ることなんて出来ない、○○は彼の問いに小さく頷いた。その反応を見た彼はそっと口付ける。
『好きだ。○○とずっと一緒に居たい』
薄暗い空の下で2人の影が重なる。優しくて心地よい彼の言葉に、 ずっと心臓が早鐘を打っているようだった。下りの時間まで惜しいと思えるくらい、幸せな空間を2人だけが過ごしていた。