この作品はいかがでしたか?
301
この作品はいかがでしたか?
301
コメント
4件
おぉ…!! めちゃめちゃ良い…最高過ぎるぜぇ…☆
僕の名前は街村 雷汰。動物の心が読めるごく普通の男子高校生だ。今は訳あって不登校になっている。、、高校は出席日数が大事だと言うのに、、バカの高校生とは僕のことだ。
僕は元美術部部長で、美術が大好き。、、いや大好きは違うか、好き、、というとこだな。夢が美術関連の夢だから、、、いや、そんなこと、どうでもいいな。
今日も今日とて絶賛(ぜっさん)不登校中でぼーっとしている。
窓際にある本棚をぼーっと見て居たら、、
ガチャっとドアの開く音がした。覗いて見たら、、
『やぁ雷汰。』
お前かよ。
僕の名前を呼んだのは『J セロム』。ただの魔法使い。今は友達となっている僕の家族であり仲間。
『それで、セロ。どうしたの。何かあった?』
『いいや?ただ学校でこんなの貰った。』
『、、?』
セロムが僕の手に渡したのは
『美術コンクール 地方誰でも参加可能!!』
『雷汰、これ、参加してみない?』
『、、、なんで?』
セロがイベントを勧めてくるなんて珍しいもんだ。
細々とイベントの詳細を見ていると、、
『賞金100万円』、、ってさ。
『、、もしやさ、お金? 欲しいの?』
『いや?』
じゃあなんやねん。
僕がハテナ顔になってる時、セロはこう言った。
『行ってみないかい?』
『、、、』
束の間の沈黙(ちんもく)の後に、
『、、行ってみるよ。そうゆうんだったら。』
『、、、、まじ!!?!?』
21歳とは思えないキラキラした目と大声でそう言った。、、うるさ。
『じゃあ頑張りなよ?休憩も入れつつね!』
『分かってるつの』
少し微笑(ほほえ)んで、そう言った。
セロムも心做し(こころなし)か、笑ってように見えた。
少しして、セロムは扉を閉め、姿が見えなくなった。
、、よし、頑張るか。
僕は鉛筆(えんぴつ)を持って、アクリル絵の具も準備万端。そしてキャンバスを机の上にあげた。
『久しぶりだなぁ、、この準備』
不登校になってから、絵は描いてはなかった。気力が無かった。それだけの理由で描かなかったけど。
鉛筆の軽い音が部屋中に響き渡る(ひびきわたる)。
聞いててとても久(ひさ)しい。懐かしい。
消しゴムも使い、消す。この感覚でさえも懐かしい。
『よーし、、色塗りっと!』
少し余裕が出てきて、色を塗る。だが、、
疲れた。久しぶりの作業すぎて疲れた。
もうちょっとしたいけど、流石に休憩しよう、そうしよう。
『、、空気吸ってくるか。』
、、っっ〜、!!!
最近動いてなかったからだろう。足腰が痛い。それに、机の角にぶつかってしまった、、
、、、、こんなこと、妹に知られたらバカにされるだろう、、クソ、、
まぁいいや、、ベランダに出よう。
足の音が床を立てる。動いただけでだるく、きつい。動かなかったつけが回ってきたか、、
『はぁぁぁ、、』
変にため息が出る。それと同時刻(どうじこく)にベランダの戸(と)を開ける。
『ん〜、、』
秋のような、冬のような。寒くて、涼しい、変な感覚の風が体全体に沁(し)みる。
たっているだけできついけど。なんだか良い気持ちだ、、。さて、休憩を終わろう。
戸は開けたまま、机に戻った。当たることなく。
『おにーちゃん!!』
甲高く、可愛いこの声は。妹の玲汰だ。
『はーい?』創った声で妹に応えを返す。
『ココア置いとくね〜!』『はーいよ。』
、、どうやらココアを置きに来ただけみたいだ。可愛い。
取りには、、癒鳥(いやしどり)に取りに行かせよう。最低という言葉が聞こえそうだが、そんなん知ってんねん。
『ふっ、、んっ!』
気合いの声を出す。これから頑張ってやる。賞金を獲得(かくとく)したら、、何しようかな。貢献(こうけん)かな。
そう思いながら手を進める。
、、よし、良い感じだな。じゃあ色を塗ろう。、、あやべ、水汲むの忘れてた。また歩くのかぁ、、キツ。、、戯言(たわごと)言ってもダメだ。行こう〜っと。
部屋を出る戸を開け、階段を降りて、風呂場へ行く。今は、誰もいないか。なら今のうちに使おう。
ジャー、、、、 水の激しい音が風呂に響く。
まぁ、、こんくらいでいいかなー、?
、、重っ!!?!? そうだった。僕力ないんだった。
『で、でも頑張って上まで運ばなきゃ、!!』 そう思うけど、くそ重い。入れすぎた。少し減らすか。
、、とりあえず減らした。半分くらい。
、まっ、よしこれでは持ってける!
よぉし!よっこらっせ。、、うんうん、持てる持てる!
順調に運んで、部屋に帰ってきた。疲れました。
アクリル絵の具を出し、筆を持って、色を付ける。アクリル絵の具は描き心地が良く、色がなんだか癒(いや)される。
、、、1時間後。ようやく絵が完成した。
達成感と疲れもすごいが、勝つのは達成感だ。
10月26日まで、か。持っていくのが楽しみだ。
10月26日。日曜日。絵を東京に持っていく日だ。チケットも、ちゃんとある。
空港に向かう足がなぜか軽い。
、、空港に着いた。東京ゆきのチケットをやって。飛行機に乗る。
飛行機には人がたくさん。おそらくコンクールの人々がたくさんだろう。雑談をする人、スマホをいじる人。そんな中に僕はいる。
僕は他の人に絵を見せないように、絵を俯(うつむ)かせ、見えないようにした。
コンクール会場。広々とした会場。変に汗が頬(ほお)も体全身をも伝う。
『お越しになった皆様、舞台横(ぶたいよこ)のキャンバス掛けに絵をおかけください。』淡々(たんたん)とした声が会場に響いて、その通りに、キャンバスを置いた。
鼓動(こどう)がどくどくと、激しく響く。
、、、息が苦しくなってきた。
次は評価。鼓動も早くなって苦しくなる。
1人目の人が終わったら、また1人目。
、、、次の人が終わったら、僕の番。
、、終わった、、ついに僕の番だ。
でも、聞こえたのはひとつ
『、、どうしますか?』
どうしますか?。その一言。もしかしたら、テーマがあった?ちゃんと見ていたらあった?
泣きたくなる。ちゃんと見ていたら、、優勝出来たかもしれない。
『あぁ、、もう終わりだ、、』
心に出した。みんなに貢献できず終わる。
また、、
絶望に頭を白くさせながら、時間はすぎた。
『では、結果発表です』
、、もう気力が無い。聞きたくもない。
どうせ、優勝はもう取れない。
最優秀賞は、『友雉 祥書』(ともきじ ゆきかき)さん!
、、、、
優勝は、、『街村 雷汰』さん!
、、?何か言ったのか?
『おい君!呼ばれてるよ!』
、、、えっ!?
まさかの展開だった。
優勝?聞き間違えじゃないのか?
『前に上がってきてください!!』
ぼーっとしていたからか、足がフラフラする。頭もがフラフラする。
とりあえず、前に上がった。大人数の間に立つなんて、何日ぶりだろう。
『感想をひとつ、お願いします。』
『賞金は何に使いますか?』
色々聞かれたが、賞金は10万円くらい。何に使うか、それは、
『家族に貢献します』 その一言。
みんなにはよくお世話になっている。だから、、貢献するの1選択肢(せんたくし)。
壮大(そうだい)な拍手とともに、賞金の10万円が手元に贈(おく)られた。
その後は特には覚えてはいない。ただ最優秀賞の人と連絡をとったくらい。
空港に家族がたくさんいたから、賞金10万円を1人目ひとつずつ渡した。
、、、でも、初めてみんなに貢献したと思う。これからも、少しづつだけど、貢献していこうかな、?
𝑭𝒊𝒏.
※ これは『てるちゃん』さんの『みんなおいでよコンテスト』にあげるものです。
是非参加してみてね。