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続き
sha視点
あの日一緒に帰ったのを最後に、オレはスマイルと話していない。
……あの日のスマイルの苦しそうな顔が、頭にこびりついて離れない。
なんでスマイルのことばっかり、考えちゃうんだろう……
あの日、どうして苦しかったんだろう……
チク……
また胸が痛む……
~放課後~
はぁ……結局スマイルのことしか考えてなかったな……
ていうか、なんでスマイル?
今まで気になってるヤツでしかなかったのに……
もう……よく分かんねぇ……
「____ずっとスマイルくんのことが好きでした!」
……っ……!!
オレはふと通りかかった教室から聞こえてきた声で、息が止まった。
まさかスマイル、告白されて―――
邪魔してはいけないという気持ちとは裏腹に、
オレの体は勝手に動いていた。
「……えっと……その……」
「スマイル!!!」
……今頃かよ……
遅すぎるだろ……オレ……!!
何となくスマイルが気になってたのも、
素っ気なくされて悲しかったのも、
スマイルの苦しそうな顔を見て辛かったのも、
今、こうして体が勝手に動いているのも、
全部、全部…………!!!
「え!?シャークん!?」
✧• ───── ✾ ───── •✧
sm視点
あの日の放課後以来、俺はシャークんと話していない。
あの日、シャークんを信用出来ていなかったことも、
好きだって言えなかったのも、
過去のことを話せなかったのも、
もう全てが苦しい。
そんなことを考えながら、俺はぼんやりと
読書を始める。
~放課後~
結局、シャークんとのことを考えすぎて、
読書にも、授業にも集中出来なかった。
はぁ……帰ろう……
「あ、あの、スマイルくん……ちょっと来てくれる……?」
「あ、うん」
はぁ……めんどくさ……
「____ずっとスマイルくんのことが好きでした!」
はぁ、告白か……
軽く断っておけば……
いやでも、シャークんを諦めるキッカケになる……
じゃあ、OKしておけば……
「……えっと……その……」
「スマイル!!!」
「え!?シャークん!?」
すごく驚いてるのに、心には安堵がふわりと広がるのを感じた。
名前を呼ばれたのと同時に、俺はシャークんに手を握られ、強い力で引っ張られていた。
✧• ───── ✾ ───── •✧
sha視点
「はぁ……はぁ……はっ!ごめんな、スマイル!
さっき、告白……されてたよな……」
「……う、うん……」
オレとスマイルの間に、気まずい沈黙が流れる。
そんな沈黙を破るように、スマイルがゆっくりと口を開いた。
「あ……あのな……シャークん……
俺の話、聞いてくれるか……?」
そう恐る恐るたずねるスマイルの声は、震えていた。
オレは、スマイルを安心させるように、優しく返事をした。
「おう、いいぜ!」
「俺、昔好きになった人が男だった。
その相手の人はすごく俺に優しくしてくれたから、俺は告白したんだ。」
「でも、帰ってきた言葉が……っ……」
スマイルは泣き出していた。
「ゆっくりでいいよ。オレはスマイルが楽になるならそれでいいんだから」
「……っ……う、うん。」
「話の続きだけど、
『男を好きになるとか、気持ち悪……』って言われたんだ。」
「俺はその人のことが本気で好きだったから、
しばらく立ち直れなかった。それを今も引きずってて……」
オレはスマイルが話し終わるのも待たずに、口を開いた。
「そいつが、羨ましいな……」
「え……?」
「だって、お前はこんなに引きずるほどその人のことが好きだったんだろ?……羨ましいよ」
オレはスマイルの切れ長の瞳を見つめて、
息を吸った。
「……スマイル、好きだ」
✧• ───── ✾ ───── •✧
sm視点
「はぁ……はぁ……はっ!ごめんな、スマイル!さっき、告白……されてたよな……」
やっぱり、見てたんだ……
「……う、うん……」
……今なら、俺の話、聞いてもらえるんじゃないか……?
でも、気持ち悪いって言われたら……?
拒絶されたら……?
いや、そんなことを気にしてる場合じゃない……
シャークんなら、きっと大丈夫。
「あ……あのな……シャークん……俺の話、聞いてくれるか……?」
思いのほか、声は震えていた。
シャークんはとても優しい声で、
「おう、いいぜ!」
と言ってくれた。
俺は全てを打ち明けることにした。
「俺、昔好きになった人が男だった。その相手の人はすごく俺に優しくしてくれたから、俺は告白したんだ。」
「でも、帰ってきた言葉が……っ……」
俺は泣き出していた。
落ち着け、俺……
「ゆっくりでいいよ。オレはスマイルが楽になるならそれでいいんだから」
「……っ……う、うん。」
どうしてシャークんはこんなに優しいんだろう……
「話の続きだけど、『男を好きになるとか、気持ち悪……』って言われたんだ。」
「俺はその人のことが本気で好きだったから、しばらく立ち直れなかった。それを今も引きずってて……」
するとシャークんが、俺の話を遮るように口を開いた。
「そいつが、羨ましいな……」
「え……?」
「だって、お前はこんなに引きずるほどその人のことが好きだったんだろ?……羨ましいよ」
羨ましい……?
……そんなこと、言うなよ……
期待しちゃうだろ……
シャークんは、俺の目を見つめている。
その視線は、どこか熱を帯びている。
……期待するな、期待するな…………
「……スマイル、好きだ」
その直後、俺は甘い口付けをされた。
「ん……む……///」
「ぷはっ……いきなりごめんな。スマイル……」
「…………いや、いいんだ。
……………………嫌じゃなかったから……///」
「オレ、今日気づいたんだ。スマイルが告白されてるのを見て。すごくモヤモヤした。あ、オレ、スマイルのこと好きなんだなって。」
「……スマイルは……?オレのこと、好き……?」
いつも自信があるシャークんはどこに行ったのやら、
今のシャークんは、自信がなさげだ。
……過去に縋るのはもうやめた。
これからは前を向いて―――
「俺も、1年の時から、ずっとシャークんのことが……好きでした……」
「これからよろしくな、スマイル。」
「うん。シャークん」
✧• ───── ✾ ───── •✧
次の日
sha視点
「おはよ、スマイル」
「あ、おはよう、シャークん」
「一緒に学校行こうぜ」
「うん」
「……また本なんか読んで〜!
ほら、手貸して、スマイル」
「ん?……っ///」
オレは、スマイルの手を優しく握った。
スマイルもオレも、照れているからなのか、
なんだか手が熱い。
____これからもこの温もりを、
ずっと感じていたい____。
約3000文字……長い……
ここまで読んでくれた方、誠にありがとうございます︎💕︎
ぜひぜひハート&コメントお待ちしております︎🫶🏻
それでは〜⋆⸜👋🏻⸝⋆