現パロ?とりあえず魔法がない世界って感じで!暗めランドトです!わたし的にはハッピーエンド!!!
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ドット・バレット、20歳にしてやらかしてしまった。
「……あ、」
自分の手には血まみれの包丁、目の前には滅多刺しにした俺の彼氏と、その浮気相手の女の子の死体がベットに転がっている。
床には大きな血溜まり。酷く無惨な状態がそこには広がっていた。
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〜数時間前〜
俺はバイトからいつもより少し早く帰ってきた。家には付き合って半年の同棲してる彼氏がいる。早く帰れたことを喜んでくれるだろうと、思っていたが現実は違った。
「は?!なんでお前帰ってきて、」
「……誰、」
「ったく、めんどくせぇな」
俺の彼氏は知らない女の子と裸で寝ていた。俺はその瞬間、頭が追いつかずただ立ち尽くすことしか出来なかった。
「お前なんて本気じゃないに決まってんだろw飯作ってくれて勝手に家事してくれてほんと助かったわーw」
そんな酷い言葉に続くように女の子が口を開いた。
「こんなダサいやつとよく2ヶ月も居れたねーw私なら絶対無理w」
「じゃ、そういうことだから荷物持ってとっとと出てって、もう俺の視界に入ってくんなよーw」
2人は俺のことを散々笑いあったあと、また布団を被って寝始めようとしていた。
その瞬間、俺はキッチンへ駆け込み包丁を握っていた。
それからはよく覚えていない。
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自分のしてしまったことの重大さに気づいたもののもう遅かった。頬を伝うどちらかの返り血を手の甲で拭い、そのついでに溢れ出る涙を拭った。どうしよう、どうしよう、どうしよう。俺は、唯一頼れる友人であるランスに電話をかけていた。
「……も、もしもし」
「ドットか、何の用だ」
「……今から会えねぇ?」
俺は泣いていないように喋ったつもりだったが電話越しでも気づかれてしまい、いつものランスはすぐ気が強い、口うるさいことを言ってくるのに、小さい子を落ち着かせるような声で心配してくれた。
「わかった、何があったかは後で聞く。行くから待ってろ。」
ランスなら俺を諭して、警察に付き添ってくれるかな、と思い電話をかけたのだが、現実は違ったようだ。
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俺の家まで車で来るランスを一人待っている時間は今までで一番長く感じた。ピンポン、とチャイムの音がしたと同時にとても安心した。
「っ、ドット血が……?」
ランスは俺が血だらけで出てきたのにびっくりした様子でいつもは見せない表情だったので少しおかしく思ってしまった。
「あー、これ俺の血じゃねぇんだよ」
とりあえず、玄関で立ち話もなんだしランスをあの血だらけの部屋に入れることにした。
「……は、?」
「えーっと、実はかくかくしかじかで……」
俺は浮気現場に直面してしまったこと、酷いことを言われたこと、自らの手で人を殺めてしまったことをどんどん喋って言った。喋ってくるうちに虚しくなって、悲しくなってきて、 また涙が頬に伝った。
「ランス、警察まで付き添って来てくんない?」
ランスは俺の涙をハンカチで優しく拭いてくれた。
「わかった、車出してくる。」
俺らは深夜一時、ランスの車に乗って警察署までのドライブに出た。
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「は?え、なんで海……?」
だが、ついたのは海だった。たしかに、ナビに全然従わないな、とは思っていたが。海、というか崖というか。とにかく景色が綺麗で見とれてしまった。初夏と言っても深夜で、風も吹き少し寒かった。引きずる死体も冷たかった。
遠くの方で、バシャッといったのは波が打ち寄せる音だろうか、それとも死体が落ちた音だろうか、それはわからなかった。
「……ほんとにこれでよかったのかな」
俺はしゃがみこんで、答えが欲しかった訳では無いけどランスにこう尋ねた。
「まぁ、いいわけないだろ」
ランスは死体を放り出した共犯なのにどこかぶっきらぼうにそう答えた。
これから俺はどう生きていくのか、どうすればいいのか分からないという、膨大な不安を抱えて、いっそこのまま海に飛び込んでしまいたいとさえ思っていた。
「……これからずっと共犯で一緒に生きていかないか」
ランスは真面目な顔をして、そう聞いてきた。俺は、今の真剣な顔をしたやつがこんなイカれてることをしたことに笑えてきてしまった。
「ふはっ、それって告白?」
結婚して初めての共同作業は結婚式の ケーキ入刀だと言うけれど、俺たちは恋人としての初めての共同作業は、血塗れの部屋の掃除、ということになってしまった。
コメント
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うわぁ。もう好き。こーゆードロドロなランドトもいいよねぇぇ