時は江戸時代。
暦は令暦、徳川家によって統治された将軍のお膝元、江戸の地にてひっそりと息を潜める人切りがいた
「全く…此処の処、戦が絶えないな。」
「争うのが人の性とは良く耳に入るが、我らを巻き込まないでくれ」
大地が震える程の大雨が大地を貫き溢れさせる。泥々になって原型などとどめていない其れを踏み締めて一人の、厭一匹の蛇は下駄を鳴らす。ずるずると罪人を何処かへと連れて帰る彼は何処か神妙な面持ちだった。
土地神である自身を祀る神社へと辿り着いた彼は遺体を丁寧に葬り、無事に煉獄へと向かう魂を見届け祠の中へと戻って行った。
それから程無くして、一人の来客が訪れた。
空気を引き裂く様な雷鳴がとゞめく中軽快に下駄を鳴らす彼はコンコンと二回ばかし祠の扉を叩いた
「玄。」
気怠そうに祠から顔を出した彼は深い溜息を付いた
コメント
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これはもしや……虎さんと玄さんの話かい??