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第一話です。
短いです。
ぬんっ(?)
赤様side
望んでいた監禁生活が始まった。
ずっと、ずっと、愛されることを望んでいた
…はずだった。
あの日、壊されて、ぐちゃぐちゃになった心は、愛されるということを忘れたようで、
今が一番幸せなはずなのに、
「何か違う気がする。」
そう感じてしまう。
豪華な天蓋付きのベットの中で、考える。
自分の存在価値を。
今日も手に着いた鎖をボーっと眺める。
暫くすると、彼が入ってきて、
「おはよう。気分はどう?」
笑顔で言う。
何を思い彼は喋っているのか、
俺にはわからなかった。
俺のベッドの中にゆっくり潜り込んできて、
鎖を鳴らしたり、髪を梳いたり、
毎日、壊れかけた人形を扱うように、やさしく。
毎食欠かさずに持ってきては、食べさせる。
何が面白いのか、彼はいつも笑顔だった。
「…なんで?」
唐突に思った。
久しぶりに声を出した。
彼はハッと何かに気が付いたかのような顔で見ている。
「何が?」
彼自身も、いや。彼自身が、疑問を持っているようだった。
「…なんでもない。」
返した言葉はどこか冷たく、自分自身の声ではないように聞こえた。
彼は笑みを崩した。
ビクッ
久しぶりに見る不機嫌そうな彼に、思わず肩が震える。
「…好きじゃないから。」
暫くして絞り出された言葉は、それだけだった。
そのまま用意していた俺の分の食事を置いたまま、彼は部屋から出て行った。
「どこで間違えたんだろうか。」
そう呟いても、言葉に全くと言っていいほど重みはなくて。
心と一緒に罪悪感も壊れてしまったのだと、
そう感じた。
そのまま今日も眠りについた。
言っただろ?
短いよ。