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夜の闇に呑まれた元彼女。
灰谷蘭sidsです 。
アイツと別れてもう3ヶ月が経った。アイツは俺が居なくても平気なのだろか 。いや根が強く自分を持っているアイツはきっと1人でやれているだろう。俺はきっとアイツの自分を持っていて誰にも流されないところが好きだったんだと思う。
俺が浮気相手家に連れてきた時だってアイツは泣きそうな顔で「終わったら連絡して。邪魔者は出ていくから」とだけ言って夜遅くに出ていった。それが初めて見たアイツの弱っているところだった。浮気相手と仲良くした後、これは振られるだろうなとダメ元で連絡したらアイツは平気そうな顔をして帰ってきた。
オレはその瞬間アイツはきっとオレの事が本当に好きじゃないと思い逆上し暴力を振るって追い出した。
アイツは暴力されても大人しく縮まっているだけだった。
暴力を振るって追い出した元カノが今になって本当に好きと気づくなんて惨めな話だ 。
今アイツに連絡したらどういう顔するだろうか 。 案外寄りを戻せたりするだろうかと汚い考えが何度も浮かぶ 。 ただ所詮オレも人間 。 欲には勝てないものだ 。 そう思う前には携帯を片手に握ってアイツに連絡をとる準備をしていた。1度深呼吸をしては思い切ってアイツに電話をかけてみた。
○○) あれ、蘭 ? どうしたの 。
久しぶりに聞いたアイツの声が電話越しに伝わる。だが家では無いのか?雑音が酷い 。
蘭 ) ちょっと会いたいんだけど会えない?
○○ ) 急だね 。 今抜けれそうだから会えるよ
蘭 ) 今どこにいんの?そっち行く 。
○○ ) 歌舞伎町の〜〜って所に来て欲しい
蘭 ) わかった 。
電話が切れる音がしては本当に会えるとは思っておらず急いで家の鍵を持って外へ出た 。 歌舞伎町に居ることはあえて疑問に思わないようにして。
歩いて行ける距離なので歩いて行くことにしたが外は街灯がなく暗く風も吹いていた。油断すれば吸い込まへそうな程
○○ ) やっと来た ?
アイツの声が聞こえ反射的に振り向くがアイツは見当たらない 。 近くにいるはずなのにどこに居るかが分からず辺りをもう一度見回す 。
○○ ) ねぇ、 私ここにいるんだけど
蘭 ) … は?え、お前○○ ?
○○ ) そ〜だけど 。
久しぶりに見た○○は見違えるほど変わっていた 。
○○ ) びっくりしたでしょ 。
蘭 ) 嗚呼 、
アイツは今まで匂いが嫌いだからと絶対吸わなかった煙草を片手に持っており、その上甘ったるい香水を付けていた。以前のアイツなら絶対にしない。
○○ ) 私ね 、 家を追い出されてからお金を稼ぐ手段がキャバしかなかったの 。
蘭 ) …悪かった 。
○○ ) いいよ 。 私今結構楽しいから
蘭 ) なぁ、またオレの所で暮らさねェ ?
○○ ) 私もう貴方とは懲り懲り
蘭 ) それは分かってる 、
○○ ) 私が浮気された時怒らなかった理由わかる?
蘭 ) …わかんない 。
○○ ) 貴方にもう失望していたからだよ
沈黙が続いた中アイツの電話が鳴り響く 。
○○ ) オーナーからだ 、 そろそろ戻らないと
蘭 ) わかった 。 出てきてくれてアリガトな
○○ ) 貴方が礼を言うなんて明日雪でも降りそうね
そう言いアイツは後ろを向きコツコツと高いヒールの音を響かせ歩き出した 。 手を伸ばしたが届かない 。 アイツは俺のせいで夜の闇に取り込まれてしまったから 。
アイツの自分が持っている所が好きだったというのは伝えたらもう皮肉になるだろうか?
アイツは俺のせいで身も心も変わってしまったのだから 。
だが○○はやっぱり根が強く自分を持っていることに変わりはないと思う。夜の闇に呑まれながら1人で生きているのだから