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この物語はフィクションである
というか
この世の大抵はフィクションである
「捏造して」
「誇張して」
都合の悪い部分は『きれいに隠す』
ならば
[ 上手な嘘をついて欲しいのが
アイドルファンというものだ ]
この芸能界において
ゴロー「アイー*!!!*」
ゴロー「リアルでこの可愛さを拝みたかった…」
ゴロー「くぅぅう……」
アイドルグループ「B小町」の絶対的エース
不動のセンター
究極美少女の16歳
──アイ
ゴロー「結成から4年」
ゴロー「じわじわと人気を上げてきてメディアの 露出も増え」
ゴロー「ようやく世間に見つかったって感じ ?!」
ゴロー「ここからだ」
ゴロー「ここから彼女をスターダムへと──」
看護師「先生」
看護師「そういうのは家で観てもらえます?」
看護師「なんで患者の病室てアイドルのDVD流し てるんですか。常識で考えておかしいでしょう」
ゴロー「美しいものを見ると健康に良い」
ゴロー「それが私の「医師としての見解」だ」
看護師「ただの布教活動ですよね?」
『ゴロー』
職業
産婦人科医師
ゴロー「こんな田舎ではアイドルライブなんてや らんからな。医療行為の一環だ。」
看護師「うちの病院の公式見解にしないでくださ いね」
看護師「そういえばセンセ。さっきツイッターの トレンドに……」
ゴロー「ええーーっ !?」
ゴロー「アイの活動中止だとぉ── !?」
ゴロー「メソメソ…」
看護師「ああ件のアイドル……ほんとに信者なんですね…」
看護師「16歳なんでしょあの子。ロリコンですね」
ゴロー「それだけは言うな」
ゴロー「理由があんだよ理由が」
ゴロー「医者は転勤の多い仕事だけど。俺が研修医やったのもこの病院だった」
ゴロー (でもその頃の俺も…今みたいによく患者の病室でサボってた)
看護師「働け」
ゴロー(その時出会った一人の患者が俺の運命を変えた)
さりな「で…!この子がめいめい!ダンスが良いの!」
ゴロー「ふーん」
『さりな』
患者
さりな「歌はありぴゃんときゅんぱんがいいんだけどやっぱり私の推しは〜〜」
さりな『アイ一択でしょ!!』
さりな「私と同い年なのに大人っぽくて
ダンスも歌も上手いの!何より顔がいい……」
さりな「生まれ変わったらこの顔がいい…」
ゴロー「何が生まれ変わりだよ。馬鹿なこと言ってんなよ」
さりな「夢がないねせんせ」
さりな「もし芸能人の子供に生まれたらって考えたことは無い?」
さりな「容姿やコネクションを生まれた時から持ち合わせていたらって」
ゴロー「無い」
さりな「やっぱり夢がないなぁ」
ゴロー「さりなちゃんも可愛いじゃん。生まれ変わる必要なんてない」
ゴロー「退院したらアイドルにでもなればいい。そしたら俺が推してやるよ」
さりな「ほんと?」
さりな「せんせ好き!結婚して!」
ゴロー「社会的に死んじゃうから勘弁して、」
さりな「このモラリストー」
ゴロー「残念だったな。16歳になったら真面目に考えてやるよ」
さりな「……16かぁ」
さりな「せんせ。いじわるだね」
ゴロー「現実的なプランだろ」
ゴロー「退形成性星細胞腫…」
ゴロー「まだ12歳だった」
ゴロー「今でも生きてたらアイと同じ16歳」
ゴロー「彼女が好きだったアイドルとさりなちゃんを重ねて見てたんだろうな」
ゴロー「彼女が夢見てた道を歩く……その姿を見届けたいだけなんだよ」
看護師「なるほど。結果「ロリコン」ってことですね」
ゴロー「話聞いてた !?」
ゴロー「結構感動的なエピソードだったよね !?」
看護師「でもそのハマりっぷりは生々しい」
看護師「そのさりなちゃんにカッコつけて「自分の欲望を解放してる」だけなんじゃ?」
ゴロー「バカ言え!。さりなちゃの名に駆けてめちゃピュアな気持ちで推しとるわ」
看護師「でもそのアイドルが付き合ってって言ったら付き合うんでしょ?」
ゴロー「………」
ゴロー「さて昼休みも終わりだ。仕事に戻ろっと」
看護師「どうなんです先生?さりなちゃの名に駆けてどうなんです?」