まずは、佐村さんからモクレンの花を確認した。
「今井さんから貰ったモクレンの花?
えぇ、ありますよ。
これです。」
これで、佐村さんは白。
次は日野さんだ!
「モクレンの花なら、これです。」
「モクレンの花?
あぁ、そこに飾ってありますよ?」
「モクレンの花ありますよー。」
「モクレンの花はあります。」
「モクレン?
あぁ、一応飾ってあるわ。」
何故か、全員がモクレンの花を持って居た。
「もうっ!
訳が分かりません!
全員モクレンの花を持ってるって、これじゃあ犯人が分からないわ!」
「うーん…
不思議ですねぇ。
全員が持っているなんて、そんな事…
あるみたいですねぇ。」
先生も言う。
「これじゃ、行き詰まりだわ。
一体誰が真犯人なんですか?」
「まぁ、落ち着いて。
喫茶店にでも行きましょう。
脳にカフェインを補給しないとね。」
という訳でなんだか分からないけれど、いつもの喫茶店に向かった。
私は少し疲れて居たので、甘いココアを頼んだ。
宇賀神先生は相変わらずブラックコーヒーだ。
テーブルの上には、事件現場の写真とモクレンの写真が散らばっている。
「うーん、何か手がかりは…?」
「んん…?」
宇賀神先生が首を捻る。
「どうかしたんですか、先生?」
「この事件の真犯人が分かりましたよ。」
先生はニヤリと笑ってそう言った。
♦︎♦︎♦︎
第1回裁判で。
「つまり!
亡くなった今井樹里さんは園田志保さんのイヤリングを握って亡くなって居ました。
これが、園田さんが今井さんを殺害したという動かぬ証拠です!」
検察側が言う。
「では、弁護側の証人尋問を行ってください。」
そして、宇賀神先生が立った。
「青木佳奈さん、まず、あなたのご職業は?」
「はい、花屋をやっております。」
「花屋さんと言う事は花について詳しいのですね?」
「はい、分かると思います。」
「みなさん、良いですか?
今回の事件では、真犯人は1人だけ今井樹里さんが皆さんに手土産として配って居たモクレンの花を貰っていません。
何故なら、貰う前に殺してしまったからです!
では、モクレンを貰って無い人が犯人ですよね!?
そこで、ここに7人の容疑者のモクレンの花の写真があります!
さて、ここで花屋の青木さんに質問です。
この中に1つだけモクレンでは無い花があります。
それはどれですか?」
宇賀神先生がパネルを指して言う。
「えーと、2番目の花ですね。
それはモクレンでは無く、コブシという花です。
どちらも白い似たような花を咲かせる事で有名ですが、モクレンの花びらは9枚、コブシの花びらは6枚なんです。」
青木さんは指摘した。
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