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「え、クラス一緒!!」
「まぁさすがに2年連続はむり……え?」
気づいたら入学式から1年が経っていてた。時間の早さに驚く暇もなく新しいクラスが貼りだされ、現実を突きつけられる。と思っていたけどまさかの2年連続で同じクラスだった。
「初っ端から奇跡起こしちゃった…」
「さすが赤くんやな、また1年よろしく」
優しく肩を叩かれ、俺たちは新しいクラスに足を運んだ。
「席…どこだ」
自分の出席番号を確認しながら教室を歩く。
「ここだよ」
後ろから聞きなれたあの声がする。息をするのも忘れるくらい声の元に体を向ける。小さく息を吸い、半泣きで声を出す。
「ぇあ…せ、せんせ…せんせぇ!!」
「おわ、びっくりした…っ」
衝動的に目の前の緑先生に抱きついてしまう。嬉しくてたまらなくてその時は恥ずかしさなんてものもなかった。驚きながらも笑って許してくれる先生がほんとに好きだ。
「まさか赤さんの担任になるとはねー、先生もびっくりした」
「へ、担任?担任なんですか?!」
「新しいクラスが書かれてた紙に書いてたじゃん!1番上に」
黄さんあるかないかしか見てなかったから気づかなかった…
「友達しか見てなかった…ですね」
「えーじゃあ緑先生のことはどうでもよかったんだ?」
「い、いやいや!!そんなこと!!」
「ははっ、冗談だよ。赤さんは1年の頃から感情豊かだね」
あの時と同じように頭を撫でられる。思わずへへっと間抜けな笑い声が出てしまう。
あーすきだ。めっちゃすき。だいすきなのにな。
「黄さーんご飯食べよ」
「うん、ええよ」
「はぁ、緑先生って彼女とかいるのかな」
高1の春、友人は俺が先生に対して好意を持っていることに気づいたらしい。否定せずに応援してくれる友人には感謝しきれなかった。
「どうやろ、聞いてみる?」
「いやいや…聞けないだろそんなの」
いたらもう立ち直れなくなりそうだし…
「お昼食べたら聞いてみようや、俺も気になるし」
「いたら絶対メンタルにくるもん…」
「その時は俺が焼肉でもなんでも奢るから!」
そんなんで立ち直れないわとつっこんで俺たちはクラスに戻った。
でも気になるよな。やっぱり。
「…緑先生」
「ん、どうしたの?」
「その…えっと」
やっぱり先生を目の前にすると緊張する。聞けねぇ
「やっぱりなんでもな…」
「先生って恋人います?」
俺が言えずに諦めた言葉を後ろから友人が口にする。
「ちょ、黄さん!」
「恋人ー?」
「いるよ。」