〜 ⚠️ 切 〜
キーッ ,,,
キーッ ,,,
鈍く鳴るブランコが私は好きだった 。
いつも通り夕日を眺めて 、
いつも通り家に帰る 。
次 、冬の匂いがしたら死のうと思った 。
冬が嫌いだった 。
少し触れると雫になる雪が 、
母親の愛情に似ていると思った 。
母「 醜いブスが喋るんじゃないわよ 」
実の母にそういわれて
家で話すことは無くなった 。
何か言われたら頷き 、
ジェスチャーで物事を表すようになった 。
そのせいで学校でも喋れなくなった 。
最後に泣いたのだっていつか覚えていない 。
ただ覚えている涙は
父の少し青みがかった黒い瞳から漏れ出た
星の様な涙だった 。
キーッ ,,,
キーッ ,,,
私「 はぁ 、」
ため息をついて鼻歌を歌う 。
私「 ~~~ ♭ 」
潔「 き 、綺麗ですね 」
後ろから聞こえた声に
思わずびっくりする 。
私「 んぇっ 、」
潔「 ぁ 、ごめんなさい ,,, 」
申し訳なさそうに眉を下げる彼に
なにかを感じた 。
マフラーを軽くかけているだけなのに
なぜか優しく見えて 、
幸せそうだと思った 。
私「 ,,, いえ 」
潔「 よ 、よくここきたりするんですか? 」
私「 まぁ 、」
キィッ ,,,
彼が座るとブランコが微かに音を鳴らした 。
ここらでは見たことのない顔で 、
照れる様にマフラーで手遊びする仕草に
父を思い出した 。
私「 にてる 」
潔「 え? 」
思わず漏れた声に口に手をかざす 。
私「 ぁ 、いや ,,, 」
なんだか憎かった 。
久しぶりに話すのが
こんなにも幸せだということに
久しぶりに話す人が
こんなにも幸せそうな人なことに 。
こんなに醜い私とは全く違う世界を生きている彼に 。
きっと彼は毎日温かいご飯を食べている 。
きっと毎日誰かと話して 、
笑いあって 、
時には泣いて 。
悲しかった 。
叶うはずないこの気持ちが 。
胸がこんなにも締め付けられるのが 。
これが恋だと 、知りたくなかった __ ,,, 。
〜 START 〜
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