「どうも~僕です☆」
その言葉をかわきりに、あらかじめ選んだ人が少ない道路へ走り、仲間に気を取らせていた大人から金を盗る。
俺は鬱。
ここ、西のスラム街では割と有名で、俺等は「盗人一味」として知れている。
俺と同じ境遇の奴らを寄せ集め、俺をリーダーとして盗みを繰り返し、俺等で盗った物はと山分けする。
利害一致した仲間達、利益こそ人の信用を繋げる最高の手法。そうして俺達、広く見ればこのスラムは回っていく。
空が大分暗くなってきた。俺等はいつも、この位に山分けについて話すんだ。
仲間A「今日はちょっと微妙でしたね…」
鬱「いやいや、これでも最初に比べれば十分な量だよ。」
鬱「ま、明日頑張ろうや。」
仲間B「そうですね!そう言えば、東の方が何やら騒がれてますよ。」
鬱「ああ、“例の件”か…」
仲間B「はい、もう一部は開拓されたようで…」
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東の方、というのはこの国の都心部、通称貴族路。
この国はおおよそ二つの地域に分けられる。
俺等が居るのが東のスラム街。
東とは対称的な貴族の奴らが居るのが貴族路。
この国は東西で貧富の差が激しい。貴族路の住人は、スラム街とは違い裕福だ。そして、ここ最近の情勢を視ると、貴族路の奴らがスラム街の「開拓」をしだしたらしい。
スラムの土地を貴族路に塗り替え、最終的には貴族路のみの国にする。
だがスラムの連中はそうやすやすとは引き下がらない。だから、貴族路の奴らは国の支援を受け、武力でスラムを崩す。それを俺等は「開拓」と呼ぶ。
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そろそろ移住も考えるべきやな…
鬱「とりあえず明日辺りにまた考えよう。一旦寝ようや。」
仲間C「分かりました!」
最近情勢が不穏やな…
そうして俺は眠りについた。
コメント
6件
予想と違ってびっくりした‼︎ (良い意味で!) 此れから如何なるのかめっちゃ楽しみ‼︎ 続き待ってます!
多分これ見てる人は、 「朝起きたら好感度見えるようになってた!?みんなの好感度高すぎい、はわわぁ、」 みたいなの想像してたでしょ。 予想をぶった切っていくスタイル。