「天才と馬鹿は紙一重」
「やぁやぁ汝よ」
二年生初日、仲の良い友達とまた同じになれて、新しい面子も増えて
さぁ、ようやく楽しい中学校生活が始まる、さぁ友達と遊びに行こう
そう思った矢先、
知らない女に話しかけられる、
え、何…?そう思い、辺りを見ても、皆気の毒そうな顔をして近付きやしない
その瞬間、僕は直感でわかる、あぁコイツ、嫌われてんだな。
嫌われてる…は酷いのならば、溢れ者、はみ出し者、変人…あまり変わらないか
まぁとにかく、僕はその瞬間コイツに興味を持った
「…汝、?っつか、初対面でオマエかよ…」
呆れた様にそう言い返してやる、と周りはざわざわと蠢き出す
汝ってお前って意味なの?知らなかったー
と、馬鹿共は騒ぎ立てる
「…はは、いいねぇ君、今まで汝って言っても誰にも伝わらなくてねぇ?」
全く世の中は馬鹿ばっかりだ!そう全員に聞こえるよう叫び、
周りを一蹴させる、何、コイツ…と文句を言った奴を睨み付けて、僕に向き直る
「友達になろう、えーと…あぁ、なんだっけ、君、目立っていたよね」
体育祭…いや文化祭に合唱コン…生徒会もか、君凄いねぇ
そう言いながら握手を求めるかのように手を差し出される
それを僕は振り払い
「悪ぃけど、僕仲良しこよしは求めてない、それがしたいならフツウになれよ」
そう吐き捨て、俺は鞄を取る、そう、元よりコイツに構う必要性なんてない
今日は友達とバスケをするんだ、早く行こう
「普通…ね、まぁ待ってるよ!桐崎くん」
名前、知ってるじゃねぇかよ。
そう思いながら、俺は下駄箱へと向かう、これからの楽しい学校生活に幸あれ
そう願いながら。
「シャーデンフロイデ」
はは、と暗い部屋でスマホを持ち笑う女の姿がいたら、誰だって怖いだろうな
と、私は思う。それでも仕方がない、元から嫌いだったアイツが炎上した!
「どーせ、アタシの一言で変わる訳でもないし、いーよね、嫌いだったし~」
くす、そう笑ってアタシは文字を打つ
「不倫とかサイテー表に出る人間として終わってない?www」
「送信…っと、はは、コイツ、もっと燃えないかなぁ…笑」
アタシはそう思いながらスマホを暫く触っていると、一通のLINEが来る
「…青い鳥でお見かけして、凄く共感しちゃって!話しましょうよ!」
普通なら、此処で怖い、危ない、危険、そんな言葉が出て来てやめよう
と思ったんだろう、だが、今のアタシに理性なんか残っていなかった
「はい!是非!」
アタシはそう送ってしまう、
「ヒトの炎上とか不幸話、面白いですよねーヒトの不幸は蜜の味的な?w」
返されたその文章に、アタシはだよね!と思わず叫んでしまい、
急いで連絡をする
「分かりますwアタシ咄嗟に「だよね!」って叫んじゃいましたもんww」
このやり取りが、後々自分に降り掛かる、なんて、アタシには分からなかった
火の粉だって、ダメージがあるものだ、燃えれば煙が出る、火の粉が出る
近付くのだって、危ないんだ、なんて、そんなのアタシ、
「わかんないよ」