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中三の夏だっけな
暑いからボーッとしてて学校から帰るのに時間がかかっちゃった。
4時ぐらいに近所にある田んぼを通り過ぎようとしたら、 少年が田んぼのど真ん中で寝てるんだよ。
とりあえず熱中症とかだとやばいと思ったから、植えてあるものを踏まないようにその子の所まで走った
残っていた水筒の水を飲ませて、影の方までおぶって連れて行った。目を覚ましたのか少年はだぁれ と聞く
子供になら名前ぐらいいいよねと私は思い
「植野心陽(うえの こはる)」
だと教えた。
すると少年は うえの こはる と何回も呼ぶ
そうだよ笑 僕のお名前は? そう私が聞くと
「…コハク」
私と1文字違いだね と言ってみた。
そうするとその子……ううん
コハクは照れくさそうに笑った。
「おうちは分かる?」
「うん」
「もう遅いし、帰ろうっか?」
「また会える?」
家が近所ではないのか
凄く不安そう顔をしながら聞いてきた
「またきっと会えるよ」
私がそう言うと安心した顔で
「そっか!じゃあまたね!」
と言いながらコハクは走り去っていく
数年後
「またこの夢か…」
私は植野心陽。社会人5年目のブラック企業勤め
今日は珍しく終電で帰れたので少し寝ていたら中三の時の夢を見た
結局あの後あの子とは会えていない
多分私だけしか覚えてないと思う
“次はー終点ー”
終点のアナウンスが鳴る
私は重い足を持ち上げ、ホームから出る。
いつも通り帰っていたはずが
気がつけば家の近くの神社にいた
私は これも何かの縁 と思い、
お参りだけして帰った。