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もういろいろ凄すぎて言葉にならないですわ
すご語彙力ありすぎ続き気になふ
語彙力ありすぎて凄い。今日で2回も更新見れて最高です😍😍😍😍😍😍😍😍😍😍😍😍😍😍
学パロ サノス
またもやメモです。途中すぎて何も始まってない。🈂️愛されになる予定でした
こいつも、俺の事嫌いなんだろうなー。
彼からしてみればそれだけの事だった。生まれつき持っていた察し高い脳は、もうほとんど薬で腐って、溶けてしまった。彼は相手が自分をどう思ってるかがわかったとて、それをどう活かせばいいのか、もう分からない。どれだけ高級なチョコレートでも放置すると他のものと同じように腐って溶けてしまうのだから。彼は以前、地頭は悪くなかったが防衛本能に欠けていた。今では防衛本能のみ発達し、他は比べ物にならないくらい劣化した。
もう食べられそうもない。飾るにしても溶けてしまって不細工すぎる。
勿体ないことをした。いいチョコを持っていたのに、何にも使うこと無くゴミにしてしまった_。
彼は薬が切れるといつも考える。
ああ、自分はもう終わりだ。未来は無い。腐った食品はリサイクルできないのだから。
彼はいつも、結局諦めて薬に頼る。薬が抜けるといつも自分の醜さが目立ってそれしか見えなくなるから。彼はそれが嫌だった。もう自分を責めるのは懲り懲りだった。自暴自棄になるのには飽きてしまった。どうせ死ぬなら、自分を愛した状態で死にたい。
死ぬなら、薬の入った状態で。
「…」
そこそこ柔らかいベッドの上で目が覚めた。
朝にこんなにもすんなり起きれるのは珍しく、良いことであるはずだが、なぜだか気分が優れない。
夢を見ていたような気がする。見ていた夢の内容など忘れてしまったが、今の自分の気分から察するに、良い夢では無かったのだろう。
のそのそと起き上がり片足ずつベッドから下ろす。肌寒い。本当ならこのままもう一度寝てしまいたいが、あいにく今日は学校なので行かなければならない。サノスは案外そういったところは真面目で、特に理由もなくサボるのは気が引けた。ただ問題なのは、彼にとっては 遊びたい も一つの理由となり得ることだ。
冬用のスリッパを履いて立ち上がり、傍の椅子にかけてあったカーディガンを羽織る。羊毛で出来ているのでなかなか暖かくなるのが早く、冬にはこれが欠かせない。部屋の扉を開け階段をおりるといい香りが強くなる。
弁当の香りか、朝食の香りか。
サノスの足取りが少し軽くなった。
「…ぉはよ」
リビングで弁当の仕上げをしていた母に声をかける。
「あら!おはよう。自分で起きれたの?」
「…母さんは起こすときの声が怖いんだよ」
「貴方が起きないからでしょう」
サノスはまだ頭が起きていないのか絶妙に会話が噛み合っていないが、母は自分で起きてくれたことが嬉しいのかそれには触れなかった。
彼は母親には強く出れない。”母親”と言うよりも”自分より強いと感じた人間”に強く出れないと言った方が正しいかもしれない。
「いい匂い。朝ごはん何?」
「タッチュッ(鶏粥)。健康的でしょ?」
「キムチは?」
サノスは卓上に赤が見当たらず思わず聞く。
母は待ってましたと言わんばかりに冷蔵庫からキムチを取りだしサノスに向かってウインクを決めた。
「もちろん、さあ早く食べちゃって。せっかく早く起きれたんだから!」
サノスは自身の母に対して、なかなかに若い仕草をするよな、とぼんやり思いながら誘われるままに椅子に座る。
「せっかく早く起きたんだし、ゆっくり食べたい」
「早く起きれたなら、早く学校へ行きなさい」
サノスは首をすくめて少し母を見たが、結局何も言うことなく視線を鶏粥へ戻した。
肌寒い冬にちょうどいい。
「いただきます」
スプーンで掬い顔前まで運ぶと、好きな香りが鼻を掠める。そのまま口へ入れると程よい温かさが口いっぱいに広がって、そのまま体の芯まで暖まりそうだった。
大好きな味だ。暖かく優しい味。
なんだか寂しい思いで目が覚めた今朝をなかったことにしてくれるような_。
「ごちそうさまでした」
そうこうしているうちに食べ終わり、制服に着替えるために部屋へ戻る。冬は、朝起きたらまず温かいご飯を食べないと寒さに凍えてしまう。
慣れた手つきで制服に着替え、駆け足で階段を下る。別に今日は急いでいる訳では無いのだが、いつもの癖でついせっかちに下りてしまう。
「いってきます」
「はーい、いってらっしゃい」
自分の作業を止め、わざわざ玄関まで見送ってくれる母の姿が、なんだか今日はやけに特別に感じた。
朝早く登校するとやはり人が少ない。
靴箱が混雑していないのはストレスフリーで、とてもよかった。いつもサノスが登校している時間帯はかなり人が多く揉まれに揉まれるのが毎朝不快極まりなかったのだ。たまには頑張って起きてみるのもありかもしれない。
階段を上がっていくと自分の教室が見えた。窓から見える人の数は普段よりも遥かに少ない。
教室の扉を開く音が響いた。
人も少なければ騒音も無い。
視線も感じたが、特に気にすること無く自分の机にリュックを下ろし、マフラーをはずす。席に座るとそのまま机に伏せて窓からグラウンドを眺めた。
机は縦に6席、横に7席並んでいて、サノスの席はグラウンド側の窓際で、後ろから二番目だった。
後ろの席には、前髪が重たくて、声が小さくて、眼鏡の度が強くて、、それこそミンスのようなヤツがいたのは覚えている。
早く来ても、誰も友達が来てないんじゃつまらない。しかし早く来ないと朝のストレスが無くならない。
サノスは人のいないグラウンドを見ながら考える。
そうだ、この時間に来てるやつと仲良くなればいい。単純なことじゃないか。
彼は勢いよく顔を上げ、もう一度教室を見回した。
暇そうなヤツに声をかけよう。