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.°泡沫夢幻.°
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#1-天満月
|*1-星今宵
|*2-霖雨
|*3-幻秘色
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#1-天満月
|*1-星今宵
「出会いは終わりの始まり。」誰かがそう言った。未だ記憶は鮮明だ。
考え事をしていたら4限目終了のチャイムが鳴った。数学なんてなくなってしまえ。
「みずき〜!学食いこ!」
「うん。」
親友のゆい、綾瀬結。いつも学食に誘ってくれる。たまにはこちらから誘いたいものだ。
「みずき!それに結!一緒に学食?ならうちらも一緒に行っていい??」
「もちろん!」
「はあ。なんで私も…。」
彼女ら2人組は隣のクラスのいつメン。陽キャラで一軍女子、私たちとは吊り合わないモテ女。名前は天宮柚乃(あまみやゆの)。対等とまで言える横にいる人は天性の豪運とIQを持っているが自覚のないゲーム女子。名前は神楽祢瑠(かぐやねる)。
「結局きたんじゃん!ねる!!w」
「うるさいなー」
ひとりひとり個性を持っている。そんな中私は何もできない無個性な女子。
羨ましいな…。
。放課後。
「じゃ!うちこっちだから!」
「私も!また明日!」
賑やか組が南方面に向かって帰っていくのを見守る。
祢瑠は静かで助かる。きっと、ゲームでも上手く行ってるんだろうな。私はゲーム好きだけどたいして上手くない中途半端オタク。
「ねえ。」
祢瑠が口を開いた。
「今日、うちでゲームする?」
「え?」
唐突な誘いに戸惑った。祢瑠の家は行ったことないが確かに興味はある。
ていうかなんで私を誘ったんだ?
「い、いいの?」
「嫌だったら別にいいけど」
「ありがとう!」
「お、お邪魔しまーす」
「ただいま。」
外見と玄関からした感じめちゃめちゃ良い!高級感がありつつ素朴な感じ…祢瑠らしい。
身内の話を全くしない祢瑠だけど、どんな家族なんだろう。
「あー両親は今日夜勤だから安心して。ていうか夕方出勤の方が正しいけど。」
なんか前半の言い方はちょっとあれ…!?いや、心が汚れてる…。
「ありがとう 」
わあ…お金持ちだ。さすが、という言い方もおかしいけど、予想していた以上に金持ちだ。
「こっち、私の部屋。なんか持ってくるから好きにしてて。」
「わかった!ていうか…すごいね!」
「なにが」
ガチャ。
す…すごい…。
中途半端な私とは全然違う…。
羨ましいな。周りがすごいとつい口癖になっちゃうな。
「ん。」
「あ、ありがとう。」
そのあとはゲームをした。
相変わらず格差があったが野良でするより断然楽しかった。
「今日は誘ってくれてありがとう。」
「うん。」
「また遊ぼうね!」
「うん。」
「…。」
やっぱり、合わないのかな。
「どうかした 」
「あ、いや!大丈夫!」
「今夜は…月が綺麗だね。」
「え!?!?」
「?」
純粋に考えろーー自分ーー。確かに、月、綺麗!そうだそうだ…。
「こんな満月の夜は寝たくないな…。」
「そうだね。ずっと見ておきたい。」
祢瑠の足が数ミリ単位で動いた。
「ねえ。みずきってさ…天文学好きだったよね?」
「え、うん。そうだけど…」
そんな詳しくないし…。
いつも途中でやめちゃうし…。
「私、宇宙みたいにのんびり生きたいんだよねー。」
「隕石とかは?」
「そんなのいちいち気にしなくて良くない?」
!!!
細かいことは…気にしないで、良い??
「自分にとっては大きいものでも、宇宙規模と比べたらゴミカス以下じゃん。」
「そうだね…」
「こういう夜は、そんなことばっかり考えちゃって…わかってくれるかな。1人で喋ってたらごめん。」
「そんなことないよ!!わかるよ!! 」
「そう。よかった。」
こんな夜が好き…か。
無数に舞う星。
無数の惑星…銀河…。
そんな理想的な発想できるんだ。
「なんだか祢瑠と話してたら本音が言えそうなかんじ…。」
「本音?」
しまった!声に出してしまった!
「どうぞ…言って 」
「え? 」
「人に悩みのひとつくらいあるって。気にしないで。抱え込まなくていいんだよ。」
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あの日の夜を忘れられない。
今6限目。古文か…つまらない。
にしても、夜が待ち遠しい。
ずっと続いて欲しい。
どうか…消えないで。
人に悩みのひとつくらいあるから気にしないで良い…か。
まるで夢を見ているようだ。
今宵。星が降る瞬間。
(今宵命が宿るトキ。)
私たちは誓った。