君と頑張る今日晴れる

そんな毎日を繰り返し、研究会の資料提出もなんとか期限までに間に合い、園長先生に確認してもらって「良い出来だわ。頑張ったわね」と言ってもらえた。

誕生日会は、当日の劇中。絵本のキャラクターが友達にブランコを変わってあげないところのセリフで「まだぁぁ、だーめだよぉー」と、悠が変な顔をして熱演するので、それが子どもたちには大ウケで大好評だった。

そして、今日は保育参観の日だ。

悠のクラスには、子どもたちの描いた虹の絵が貼ってある。

外の天気は、生憎の雨。

悠は、歩夢君のために、保育参観を成功させることができるだろうか。

頑張れ、悠。

私は、窓から雨模様の空を見つめた。

保育参観は、滞りなく進み、私は最後に「今日、親子で作ったクッキーをこれから焼きます。午後の、子どもたちのお迎え時間には出来上がりますので、持って帰ってお家で食べてくださいね。今日はお越しいただきありがとうございました」と、自分が担当するクラスの父母たちに説明し締めの挨拶をした。

隣の保育室から、悠の声が聞こえる。

「父母の皆さん。本日はお越しいただきありがとうございました。最後に、にじの曲の演奏会をします。どうぞお楽しみください」

そして、悠のギターの音と子どもたちの元気な歌声が聴こえてきた。

その楽しそうな雰囲気に、私のクラスの子どもたちも歌い出す。

最後、ギターのアウトロが終わると、父母たちからの拍手が聞こえた。

どうやら、悠のクラスも保育参観が無事に終わったようだ。

私は、一安心した。

自分の、クラスの保育参観が終わったので、ふと悠のクラスを窓から覗くと、潤んだ目で嬉しそうに微笑む真希さんの姿が見える。

その目線の先には、歩夢君がいて誇らしげな顔で真希さんに手を振っていた。

歩夢君と真希さんを想うと、私も胸がじわりと熱くなった。

窓から風が入ってきて、悠の、クラスの子どもたちが描いた虹の絵が揺れる。

歩夢君と真希さんが笑い、他の子どもや親たちも笑っている。

悠も、嬉しそうだ。

悠。頑張ってやり遂げたね。

私は、心の中で祝福する。

ふと、窓から外を見ると、立派な虹が空に架かっていた。