桃「楽しかったありがとう、笑」
そう言い少年と別れを告げた。
後日
M「おお、いるまくん久しぶりだね〜」
俺は美術部だが、持病でここ最近はサボりがちだった。
紫「久しぶりに絵描きたくなっちゃって、笑」
M「それで話したいことがあるんだけど、二科展に出てみない?」
紫「俺が、ですか?」
二科展。それは俺のような絵を描く高校生を中心に応募する展。
M「ああ、いるまくんなら新人賞を狙えるよ」
新人賞、無理だろうと思いつつもチラシを受け取る。
紫「考えてみます、」
M「ああ、よろしく」
家に帰る道を夕日が照らす。昨日会った少年なら新人賞を狙えるだろうと思いながら、空を見上げる。
がちゃっ(ドアを開ける音
親「いるま、おかえり笑」
紫「ん、ただいま」
ママとパパが笑顔で俺を迎えてくれる。幸せそうな家族だが、俺が心臓病だと知ってパパは俺の前で笑顔を中々見せなくなった。
親「部屋着に着替えておいで」
紫「うん、」
兄「ねぇ俺の服もとってきてー」
兄から大声で服をとってきてと頼まれる。
紫「んー」
適当に相槌を打ち返事をする。
紫「えー、お兄ちゃん服どこなんまじ」
汚い所謂汚部屋を漁り、兄の服を探す。
紫「あ、あった」
グサッ (パレットが足に刺さる
紫「い゛ッ…た、ッ゛」
「あ゛ッッ…」
床に置きっぱなしだったパレットが足に刺さり、思わず声が出る。
兄「ほんといるまって運ないよね〜笑」
「運悪すぎて怖いぐらい笑」
親「…」
兄は俺が心臓病なのを知らない。言ってもいない。運悪くてごめんね、お兄ちゃん
コメント
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いるまくん美術部なんですね!いるまくん足にパレット刺さっているけど大丈夫かな?お兄さんには言わないのかな?