### **「溺愛なんかいりません!」**
**第8話:合成で十分なのに、なんで拒否!?**
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「はぁ……もうやだ……」
私は布団に突っ伏したまま、スマホを見つめる。
画面には、母からの **「カップルみたいな写真また送ってね♡」** というメッセージ。
(無理無理無理!!!)
この間、琉翔に頭ポンポンされて、その動画を送ったせいで、母の誤解が とんでもないこと になっている。
私は **お小遣いのために** やっただけなのに、母は **「これは本物ね!!!」** みたいなテンションで喜びまくっているのだ。
(もうこうなったら、別の方法を考えなきゃ……)
そして私は **ある画期的な方法** を思いついた。
**「そうだ、合成すればいいじゃん!!!」**
――つまり、私と琉翔が **別々に写真を撮って、それを組み合わせる。**
距離感も調整できるし、自然に加工すれば **まるで本当に寄り添ってるように見えるはず。**
(これなら、琉翔に直接触れられることもないし……!! 完璧すぎる!!!)
私は **勝利を確信** しながら、さっそく作業を開始した。
琉翔には **「個人で写真撮って」** とだけ伝え、自分もそれっぽい角度で写真を撮る。
(あとは、編集アプリで調整して……)
10分後。
「……できた!!!」
私はスマホ画面を琉翔に見せる。
「ほら見て! めちゃくちゃそれっぽいでしょ!?」
そこには、 **まるで恋人同士みたいに寄り添う私と琉翔の姿。**
加工が完璧すぎて、 **まるで本当に一緒に撮ったかのような仕上がりになっていた。**
「……」
しかし、琉翔はなぜか **じっと写真を見つめたまま黙っている。**
「……なあ」
「ん?」
「これ、ダメ」
「は!? なんで!? 完璧じゃん!!!」
「ダメなもんはダメ」
琉翔はスマホを突き返してくる。
「いやいや、意味わかんないんだけど!? なんで拒否するの!? これならお互い気まずくならないし、触れなくてもいいし、お小遣いももらえるし、メリットしかないじゃん!!!」
「……」
「ねえ、なんでダメなの!?」
私が詰め寄ると、琉翔は **そっぽを向いてぼそっと呟いた。**
「……かわいい優月が見たいから」
「……は?」
一瞬、意味がわからなかった。
「いや、だから……合成とかじゃなくて、ちゃんとその場にいる優月が……」
「え、ちょっと待って、なんか道に落ちてるもん食べた?なに言って――」
そこで **異変** に気づいた。
琉翔の **耳が、めちゃくちゃ赤い。**
「……あんた、もしかして照れてんの?」
「は!? ちげーし!!」
「嘘つけ!!! 顔真っ赤じゃん!!!!」
「うるせぇ!!!」
琉翔は **バッと立ち上がって** こっちに背を向ける。
(なにこれ、可愛すぎない???)
いつも **余裕ぶってる琉翔が、めっちゃ動揺してる。**
それに、さっきの発言…… **「かわいい優月が見たい」** って……。
(え、もしかして……本当に私のこと……)
「……あんたさ」
「な、なんだよ」
「私のこと、ほんとに――」
「言わせるな!!!!」
琉翔が **一瞬で私の口を塞ぐ。**
(え、ちょ、近っ!?!?へ?!いま…いま…!?)
「これ以上、余計なこと言うな……!!」
「え、なに、もしかして、ほんとに……?」
「うるさい!!!!!」
私は **最高に楽しくなってきた。**
(なるほどね~? これはちょっと、からかいがいがあるかも?)
「ねえねえ琉翔~?」
「……なんだよ」
「かわいい私、そんなに見たい?」
「っ……!!!」
琉翔の **耳がさらに真っ赤になった。**
「お前、ほんとぶっ飛ばすぞ!!!」
「ぶっ飛ばせるもんならね~~!」
私は全力で逃げ出した。
こうして、 **私たちの家出生活(?)はますます面倒な方向へ進んでいくのだった。**
(第8話・完)
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